常世国往還記

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大人になるということ

2004/08/15(日) 17:50:57





アバウト・ア・ボーイ(book)
ニック・ホーンビィ著 森田義信訳 
新潮社(新潮文庫)  2002年
これは映画化されたのを先に見ました。全体的に、映画(ポール・ウェイツ監督、ヒュー・グラント主演)のほうがよりハッピーですし、後半部分を原作よりもわかりやすく、かつ映画として盛り上がる形に変えてあります。が、原作のテーマを全く損なわない改編ですので、これはこれでよかったのではないかと思います。

家族のささえがないために、正常に成長できない男と少年の話です。

 



クール(のつもり)でリッチな独身中年男ウィルは、ひょんなことからシングルマザー家庭の一人息子マーカス(12歳)と知り合います。一見何一つ接点の無い二人ですが、二人とも精神年齢と実年齢がちぐはぐなところが共通しています。
ウィルは一見自立した大人の男、と見えて、実は親の遺産のおかげで生まれてこの方社会人経験が無く、自意識過剰で他人との関係には臆病。つまり、精神的には思春期の中学生のままですし、現役中学生のマーカスは逆に、母子二人きりの生活の中で背伸びを強要されてきました。彼らはどちらもそのために、同世代の社会にうまく適応できません。

マーカスは、ママの独特のライフスタイルのおかげで、学校では変人扱い、友達がいないどころか仲間はずれで苛められっ子。学校生活だけでも問題山積なのに、ある日家庭生活まで危機にさらされます。鬱気味だったママが、唐突に自殺を図ったのです。
幸いママは一命をとりとめますが、もしママが死んだら、ひとりぼっちになってしまう事実に、慄然とするマーカス。
「二人きりではだめだ。家族を増やさなくては」

頭の回転が速く、年齢不相応に行動力もあるマーカスは、知りあいの独身男の中では「比較的良さそう」なウィルを勝手に父親候補と認定、ウィルの「お城」のなかにズカズカ入り込んで、彼を自分たちの生活に巻き込もうと画策します。
突然の闖入者に、ウィルはもちろん大迷惑。しかし、マーカスの置かれた深刻な状況も承知しているので、無下に追い払うこともできません。
ガラにもない親切心を発揮して、逆に事態を混乱させてしまったり、ホモに間違われたり。不慣れな父親?代理は災難続き。
しかし、なりゆきで始まった「子供大人」と「大人子供」の奇妙な友情は、周囲に波紋を広げつつ、互いの欠けた部分を徐々に埋めてゆきます。

映画を見たときにも思ったのですが、大人たちの事情に翻弄される子供という点で、「マイ・ライフ アズ・ア・ドッグ」とちょっと似ています。マーカス君は、行動するイングマルといったところでしょうか。

全体に、子どもの精神的虐待といってもいいような切ない話なのですが、苦労人マーカス君のやけに大人びた発想と、子供っぽい無邪気な視点がないまぜになった珍妙なモノローグや、見た目だけは立派な大人のウィルの、どうしようもないお子ちゃまぶりが軽妙に描写されていて、ユーモラスであっけらかんと明るい雰囲気です。脇役もそれぞれに個性があって魅力的。
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