常世国往還記

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かぼちゃの馬車

2005/09/17(土) 15:31:25



この町の誰かが(book)
ヒラリー・ウォー 法村里絵訳
東京創元社(創元推理文庫) 1999年

これは探偵小説ではありません。厳密には推理小説とも言えるのかどうか。
まあ、読者は犯人探しが気になるでしょうし、事件解決のためのヒントも、あとから思えばそれなりに提出されてはいるのですが、すべてを考慮したところで、はたして真相にたどりつけるでしょうか。
どうも作者自身、あまり謎解き小説を意識してなかったんじゃないかと思うのです。

郊外の小ぎれいな新興住宅地で起きた暴行殺人事件。
被害者となった女子高生は、いかにも「隣のみよちゃん」タイプ。美人ではないがちょっと可愛くて、抜群の優等生ではないけれど問題児でもない、ちゃんとした家庭で育ったごく平凡な良い娘だった。
どこの誰に起きても不思議ではない殺人。しかも、当初の予想に反して、犯人はどうやら町の人間らしい!
平和な町の住民たちは、たちまちパニックに陥ります。

安全な町、善人ばかりの住む町。
誰にも親切で、弱者に優しく、人種差別などない、アメリカの理想の町という表皮が、たった一つの事件をきっかけに裏返っていく様子が、関係者のインタビューや、捜査会議のレポートなどを通じて浮かび上がります。
町中を覆う疑心暗鬼の闇。弱いものから順にはじかれてゆき、そして遂には第二の犠牲者が……。

誰もが信じたいアメリカ的な「無垢」や「善」のうそ臭さ。表面の虚飾を取り払ったとき、わずかに残る人間の真の強さや愛は、はたして救いの杖とするに足りるのだろうか。

エイズをはじめ、今日的な話題が出てくるので、アレレと思ったら、割合最近の作(1990年)なのでした。

清く正しい町に不似合いな犯罪が起こり、ねじれた人間関係があらわになるという話は、たとえばクックが「神の街の殺人」で書いたことと似ています。クックと違って、話が宗教に限定されていないので、より身近で普遍的です。
テーマ自体は、推理物ではありませんが、映画「アメリカン・ビューティー」と似ています。

結末もいかにも現代的です。「事件当夜は雨」や「愚か者の祈り」に比較すると、同じウォー作品でも、ここ数十年での"御近所の犯罪"の変容がしのばれて、なかなか興味深いです。


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