常世国往還記

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切り取られた風景

2004/07/13(火) 19:12:07

B00008702X.09.MZZZZZZZ.jpg
ストーカー(cinema)
監督 マーク・ロマネク
ロビン・ウィリアムズ コニー・ニールセン
ミシェル・ヴァルタン
2002年 アメリカ
スーパーのDPEコーナーで働くサイは、長年の顧客であるヨーキン一家の写真を密かに収集している。
若くやり手の夫、モデルのようにファッショナブルで美しい妻、愛くるしい息子、そして一等地に建つ贅沢な住まい。しがないスーパー店員で、孤独な独り者のサイにとって、スナップ写真の中に展開する彼らの生活は、理想の幸福だったのだ。レジをごまかして余分に焼き増した写真を自室の壁一面に貼り付け、彼らとともに暮らす夢を見るのが、サイのたった一つの楽しみになっていた。
ところが、ある日とうとう店長が売り上げのごまかしに気付き、サイはその場で首を言い渡される。生活の糧ばかりか、ヨーキン家との唯一の接点をも奪われ、追い詰められるサイ。折も折、彼は偶然ヨーキン氏の浮気の証拠を掴み、幸福な空想の危機に直面する。
突然の混乱、怒り。小さなアパートに封じ込められた狂気が、殻を押し破って爆発しようとしていた。


サイの内面を投影したような、白っぽく無機質な画面が印象的です。
ロビン・ウィリアムズの名演も手伝って、それなりに悪くはないのですが、なんとなくもう一つ掘り下げが足りなくて、消化不良の残る作品でした。
(お後はネタバレあり)




たとえば、ヨーキン一家の幸福は、写真と違って現実にはいろいろな問題点を含んでいます。一代でのしあがったと思われるヨーキン氏は、事業の拡大に伴って仕事に追われ、余裕を失い、生活感の無いモデルハウスのような家庭と上昇志向の強い妻に疲れてきている。浮気以前に家庭内にはかなりの不協和音が響き始めています。
サイの見ているのは 「絵空事」 に過ぎず、夫の裏切りに対する彼の怒りも、非常に一方的で、いささか不当ともいえるようなものですが、そのあたりがどうもはっきりしなくて、結局夫一人が悪者のような結末になっている。

サイの仕掛けで夫の浮気を知った妻が、なぜ夫を責めないか。夫婦の関係は複雑で、浮気一つで壊れるようなものではないということかもしれないし、子どもの前でののしりあうのを避けただけかもしれず、あるいは多少の浮気に目をつぶっても今の裕福な生活を維持したほうが得策という功利的な判断とも考えられます。
いずれにせよ、そこにある 「大人の事情」 は幼児性の強いサイにはわからず、目論見が外れて腹を立て、妻に代わって夫を罰しようと決意する興味深いシーンですが、妻にとってこの事件が何だったのかはうやむやのまま、妻子が一方的な被害者の形で終わります。
また、サイは一家のなかでもとりわけヨーキン夫人に執着していますから、この件で突如ヨーキン一家の保護者から破壊者へと変心したのは、当然夫を排除し、自分が取って代わるためだったと思われますが、ここでもサイの行動の意外性のみがクローズアップされ、その意図はどこかへ行ってしまっている。

そのほか、サイの極端な孤独癖と異常性、あるいは写真に対する思い入れの理由に関しても、おそらく脚本上では何か設定されており、夫に対する「罰」の内容や、訊問中唐突に口走るのがそれらしいのですが、いかな名優ロビン・ウィリアムズをもってしても、あれだけですべてを語るのは無理です。
刑事も、黒子に徹するでなく、かといって大した存在感があるわけでもなく、なのに無駄にいい役者を使って、何か半端な感じです。

写真に映った世界しか見ることの出来ない男というのはとても面白い視点だと思うので、せっかくだからもう少しテーマを絞るかなにかして、煮詰めてあるとよかったのにと思いました。
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