常世国往還記

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勝利の方程式

2004/07/12(月) 19:32:47

ウイニング・アグリー.jpg

読めばテニスが強くなる―ウイニング・アグリー
ブラッド・ギルバート/スティーブ・ジェイミソン共著 
宮城淳訳 日本文化出版 1997年
もはや旧聞に属しますが、アンディ・ロディック君ウインブルドン準優勝記念ということで、彼の有名なコーチであるブラッド・ギルバート氏の本です。
ほんとは優勝記念で、しばらくテニス本を続けるつもりだったのに、今年も決勝で負けちゃって残念です……。気を入れて応援していただけにガックリきて、イマイチやる気が出なかったもので、今頃になってしまいました。
それにしても、シャラポワではみんな大騒ぎなのに、なんで超ハイクラスの展開だった男子戦のほうは話題にならないんだろうか。差別だ

著者ブラッド・ギルバートは、テニスのトッププロとしてより、コーチになってからのほうが注目を浴びているおもしろい人です。一時沈んでいたアンドレ・アガシを再生して名を上げました。
ロディックとは、去年のウインブルドン前に、ロディックのほうから頼み込んでコーチについてもらって以来の関係ですが、凄い素質を持ちながら頭に血が昇りやすいのが弱点の美少年に頭脳プレーを教え、押しも押されぬ世界トップレベルのプレーヤーに仕立て上げたコーチ力は、確かに大変なものです。



さて、"汚ねえ勝ち方"といっても別に反則を奨励するわけではないので、要するに、徹底的に勝ちにこだわる、カッコ良く勝とうなんて思わずに、どんなことをしてでもポイントを上げようということです。この点を徹底して追求すれば、相手が自分より少々強くても、必ず勝つチャンスがある、というのがギルバート先生の主張です。
おお、ほんとにそんなことが出来たら素晴らしいですね。

理屈だけでなく、彼はほんとうに現役時代このやり方で世界ランキング4位に昇りました。本人の言によれば、ビッグサーブも、強烈なストロークも、人間離れしたフットワークも持たない、トッププロの中に入るとかなり見劣りのする平凡なプレーヤーが、マッケンローや、ベッカーその他もろもろの強敵と、互角か、時にはそれ以上に戦ってきたのです。

具体的には何をやったのでしょうか。
約めて言ってしまえば、「敵を知り、かつ己を知らば、百戦危うからず」 ということです。

本書の2章以降は、その実践例について縷々書かれています。アガシ、レンドル、ベッカーetc. 彼のライバルたちなので、少々過去のプレーヤーが中心ですが、その観察眼の鋭く緻密なことはちょっと類を見ません。言い換えれば猛烈に人が悪いのです。"王様"ベッカー評など、まさに抱腹絶倒です。

この人は、教師やカウンセラーとして出会えば素晴らしいけれど、敵に回したらさぞかしイヤな相手でしょうね。現役時代、彼のことを蛇蝎のごとく嫌っている選手が大勢いたというのも頷ける話です。

筋力やスピードは一番でなくても、彼の天分はまさにこの分析力にあったということでしょう。テニスの技術論のほうは日常あまり応用する機会がありませんが、彼の心理作戦は、テニスをしない人でも一読に値すると思います。


ところで、今年のウインブルドン男子シングルス決勝、どちらかというと、ギルバート先生の方法論を忠実に実践していたのは、ロディックよりもむしろ優勝したフェデラーのほうだったようです。
サービスもストロークも、力では少々劣るのに、相手の一番いやがることを上手について小さなミスを誘い、その積み重ねで相手を徐々に追い込んでいきます。うまい! 玄人好みのテニスってこういうのを言うのでしょう。ロディックと一歳しか違わないのに、五つ六つ年上のような感じでした。

しかし、そうは言っても、お手本にするならともかく、タイトル試合を一種のショーとして楽しむ身としては、やっぱり世界最速240㎞/hの人間離れしたビッグサーブと、強烈なストロークに、どうしたことかアイドルばりの美貌までそなえてしまったアンディ君を見るほうが断然楽しい。 「とにかく力押し」 という、いかにも若いプレイスタイルがまた可愛いんですよね。
次こそがんばれ。






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