常世国往還記

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ビューティフル・マインド (book)

2004/06/16(水) 23:09:39



ビューティフル・マインド―天才数学者の絶望と奇跡―
シルヴィア・ナサー著(1998年) 塩川優訳 
新潮社 2002年

ノーベル経済学賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュの伝記。
今時の経済学って、くらくらするほど数学で、とっくの昔に文系の学問ではなくなってますが、こういう人のせいだったのね。

学会に彗星のごとく登場した天才学者が、30代で分裂病(統合失調症)を発病、20~30年間にわたる闘病のすえ、この社会復帰がきわめて困難な病を克服し、知能や記憶をほとんど損なわない奇跡のような寛解に至るまでの、病歴の詳細な記録でもあります。




主人公ナッシュは発病以前から相当破滅的な人物。
普通こんな人間とは絶対にお友達になりたくないと思うのですが、彼の稀有の才能は、その輝きを理解する人々を惹きつけてやみません。
病気が進行し、厄介な妄想にとらわれて廃人同様の状態に陥ってさえ、回復を信じて支えつづける人が何人もいるのは驚きです。
ライバルの足を引っ張る輩も少なくない学者の世界で、ひとつの並外れた頭脳に感動し、なんとかそれを守り抜こうとする周囲の友人たちこそが、ビューティフル・マインドかもしれません。

それにしても、ナッシュのような病人をかかえた家族は大変です。
経済的にも精神的にも追い詰められて、母親も夫人もノイローゼになってしまう。殊に夫人は、自身も才能ある物理学徒でありながら、この男にかかわったためにキャリアを失い、将来を台無しにされてしまいます。

一度は限界を感じて夫の元を去りますが、シングルマザーとして辛酸をなめた挙句、母に死なれて一人ぼっちになったナッシュを再び引き取る(!)このすさまじいまでの強さ。

途中までは、彼女がこれほど理性の勝った女性ではなく、もっと平凡な常識人だったら、夫の病気の進行を、いくらかでも食い止められたのではないかと思いながら読んでいましたが、結局、最後に彼を救うのは、彼女の賢明さ(愛情というよりは、彼についての理解の深さ。なぜなら、発病後のナッシュを愛するのは、壊れたロボットに愛情を注ぐのと同じくらい不可能だから)なのですね。

夫人のお蔭あってか、ナッシュは発病以前よりも円満な人格となって回復し、紆余曲折の末とはいえ、栄えあるノーベル賞を受賞、彼女の苦労も少しは報われたかに見えます。しかし、相前後して、彼女の期待を担っていた優秀な一人息子が父と同じ病を発病。新たな苦悩の種をかかえることになってしまいました。

彼女の無残な一生に対する深い同情が、著者の献辞となったものと思います。
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