常世国往還記

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お馬さんは?お馬さんは死んでないよね?

2009/01/21(水) 18:04:09

影武者<普及版> [DVD]
影武者<普及版> (cinema)監督:黒澤 明仲代達矢、山崎 努、萩原健一、根津甚八1980年 日本
posted with amazlet at 08.12.21
BS黒澤監督特集にて。あらすじ・批評その他はよそでさんざん目にしたので、確認程度の興味しかありませんでしたが、意外に見ごたえありました。これならばカンヌでパルムドールが取れても不思議じゃないです。

黒澤映画には特に珍しいことではありませんが、なにしろ非常に丁寧に撮っていて、場面場面に絵画的なたくらみがあります。動きを主体とする現代映画一般と違い、個々の画面構成に徹底的にこだわっています。最後の合戦シーンに代表されるような、大きな動きのあるスペクタクルすら端正です。
これは昔々の、たとえばカール・ドライヤー作品のような志向性を、現代のアクション映画に求めたらどうなるかしらという実験だったような気もします。

舞台構成・演出は、劇中にも再々出てくる能にならっています。同じことを過去に「蜘蛛巣城」なんかでさんざんやっているので、まあさすがに演じさせるほうも演じるほうも上手いこと。視線の動きひとつ、咳ひとつで感情表現しなきゃならない職人芸のレベルですから、いくらプロでも俳優の側はさぞかし大変だったでしょうね。
この手の演出を真似たのをいくつか見ましたが、他ではなかなかこうはいきません。
解説によれば、キャスティングに新人抜擢が多かったそうですが、よほどやかましく言われたのでしょうか、ベテラン俳優はもちろんのこと、当時無名の新人もなかなかみごとなものです。武田家臣団のベテラン勢が出来すぎ・おさまりすぎなので、新人のすなおな演技が逆にリアリティをかもしだして、好対照でした。

展開は、起承転結ではなく、能の序破急を踏んでいます。
影武者の選定から、信玄の死を秘す三年間、そして最後にわあっと合戦の場面が拡がって、それがいきなりすとんと終わると、もう全員が退場です。
時間配分も能にそろえてみたのか、かなり冗長なところが目に付き、これが傷といえば傷になっています。能って長いんですよね……特に「急」で、鬼に変身して狂うところとか、天女の舞とか。室町時代的にはたいへんな見せ場なのでしょうが、現代人にはちょっとくどいので、もう少しスピーディに流してもよかったのでは。

ストーリーのほうもいささか凝りすぎの感がないではありません。
影武者を二人設定したがために、視点がぶれて、いずれの影武者の運命についても感動が薄れてしまったのは残念でした。
おそらくこの話は、仲代演じる影武者ではなく、初代影武者であるところの、信玄が弟・信廉の悲劇であり、またそのようにストーリーを作って、仲代影武者を徹底的に客観し、道化役として扱ったほうが、(たとえラストシーンがあの通りであったとしても)より盛り上がったと思われます。二重写しの苦悩を自覚しているのは、無学で粗野な仲代影武者ではなく、山崎努の信廉のほうだからです。

その意味では、仲代さんは目立ちすぎました。でもだからといって、これが当初の予定通りの勝新だったらなおのことダメだったろうと思うのです。どのみち勝新は降りていたんじゃないかな。
本作で大女優二人の個性を徹底的に剥奪した黒澤監督をもってしても、あの存在感を一介の庶民に堕として死なせるのは無理。サイズだけでもでかすぎます。


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見た映画(DVD)TB:0CM:0
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