常世国往還記

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別れの儀式

2004/06/12(土) 18:08:38

最後の注文

グレアム・スウィフト著 / 真野 泰訳
新潮社 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。


(旧版)「ラスト・オーダー」中央公論社 1997年
以下、感想は、中央公論社版を読んでのものです。


ウォーターランド」のスウィフト作品。
版元のごたごたのせいだと思いますが、残念ながらただ今絶版中。図書館か古本屋で探してみてください。


寓話的な「ウォーターランド」より万人向きかもしれません。それでこっちがブッカー賞とったのかな?
原題は"LAST ORDERS"。複数形です。

肉屋のジャックがガンで急死。彼の遺書には、「関係者各位」宛に、自分の遺灰をマーゲイトの桟橋から海にまくよう書かれていました。

ジャックの飲み友達である勤め人のレイ、葬儀屋のヴィック、八百屋のレニー、加えてジャックの養子ヴィンス。男ばかり四人が、この「注文」に従って、骨壷をかかえ、海へ丸一日ドライブするはめに。その道すがら、故人を加えた五人の交流、昔からの確執などが、それぞれのモノローグで語られ、合間にジャックの妻エイミー、ヴィンスの妻マンディ、ジャックにかかわりの深い女性も、同行しないながら(その理由も含めて)、同じくモノローグで心情的に参加します。

これはとても正しい野辺送りの物語です。
参列者がおのおの故人の生涯を振り返り、自分とのかかわりを見つめ直し、死を悼み、死を想い、永遠の別れを告げる。要所要所を葬儀屋のヴィックが仕切るところなどは、形式的にも葬儀の進行にのっとっていますね。途中でちゃんと、神様にお参りもします。

目的地であるマーゲイトの海は、その昔、ジャックが障害児の娘を(精神的に)捨てた場所。同時に、自分の人生を止めてしまった場所。
さらに、彼ら全員の、単なる友情と呼ぶにはあまりにも複雑な関係の出発点でもあることが、やがて明らかになってゆきます。
最後に、同じ場所で自らを解放し、友人たちをそれぞれ過去のしがらみから解き放つ、それこそが彼のオーダーだったのでしょう。

水に還るイメージは、「ウォーターランド」にも共通のもの。
この作者のお気に入りなのかな。

故伊丹十三監督の「お葬式」という映画があります。
これは、葬式という儀式そのものをテーマにした作品です。
公開当時傑作だと評判でしたが、面白い視点だとは思ったものの、私は生理的にダメでした。それが何故なのか、この小説を読んでちょっとわかったように思います。

(追記)
新潮社のクレストシリーズで復刻されました。
よかった、よかった。

気が向いたら、クリックしてくださいね。よろしく。
 







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