常世国往還記

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咳をしてもひとり

2007/05/13(日) 18:08:08

ナイトホークス〈上〉
マイクル・コナリー 古沢 嘉通 訳
扶桑社 (1992/10)

ロス市警殺人課の花形刑事ボッシュは、捜査中に誤って犯人を射殺してしまったことから、降格処分になり、ハリウッド署に飛ばされてしまった。忙しい市警とは対照的に、今度の職場は万事いいかげんでのんびりムード。相棒は副職の不動産業が忙しく、死体発見の呼び出しさえ迷惑げで、憮然とするボッシュ。
しかし、現場で土管の中の遺体を見たとたん、彼に緊張が戻った。死んでいたのはベトナム時代の戦友メドーズ、死因は麻薬の過剰摂取。ボッシュは一年前、この男から麻薬をやめる件で相談を受け、手を貸してやっていた。プログラムはうまく行き、無事社会復帰を果たしたはずだったのに、結局悪癖が抜けなかったのだろうか。
だが、ボッシュの鋭い目は、遺体の注射痕や、現場の状況に、いくつか納得のいかない点を発見する。これは殺人ではないのか。
穏便にすませたがる同僚たちを尻目に、ボッシュは単身捜査を始めるのだったが、メドーズの私生活をたどるうち、半年ほど前に起きた銀行強盗事件との接点に突き当たる。


ボッシュの衝撃の過去が明らかに!って、これがシリーズ第一作で、私が逆から読んだだけなのでした。
ロス市警時代にボッシュが活躍した事件が、まるで既に刊行されている話みたいに随所に出てきます。手柄はたくさん立てたものの、独断専行の多い彼は、組織内では嫌われ者で、左遷後も本庁内務監査課のスパイが、彼の首を切るネタはないかと身辺を嗅ぎまわっています。かつてマスコミの寵児だった彼を妬む同僚も多く、「堕ちた英雄」は上からも下からも厳しい視線にさらされている…というのは、日本でもありがちな話ですね。
おそろしく働きにくい状況下、ボッシュがあっちやこっちに遣いたくもない気を遣いながら、どうにかこうにか、一歩一歩調べを進める。そこへFBIがからんで、さらに混乱するという展開です。

「赤毛連盟」みたいなトンネル銀行強盗の話に、ベトナム時代の恐怖の記憶や、FBIの女性捜査官エレノアとの、ハードボイルドにあるまじき艶っぽいエピソードもはさんで、濃密なストーリー。
戦争中、トンネル工兵として抜群の技術を誇った復員兵メドーズの転落物語かと思いきや、事件は意外な方向へ向かい、ラストでふたたび大きくハンドルを切ります。

ジャーナリストとして活躍する著者のフィクション第一作。エンタテインメントを意識したのか、内務監査のルイス&クラークなど、マンガみたいなありえない設定も散見しますが、トンネルの描写や、ベトナムからつながるさまざまな社会問題を、それとなく裏にひそませていて、見た目以上にボリュームがあります。
戦争でも、戦争が終わってからも、むくわれない一兵卒に忍び寄る黒い誘惑。彼らに共感しながら、それでも断罪せざるを得ないボッシュ。灯の消えた暗いトンネルに佇むボッシュの姿が目に浮かぶようです。

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