常世国往還記

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読書と映画の鑑賞記録。
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偶然の音楽 (book)

2004/06/11(金) 23:31:35



偶然の音楽
ポール・オースター著(1990年) 柴田元幸訳 
新潮社 1998年

行きて還らぬ、お金の物語です。
このテーマは、とてもアメリカ的な感じがします。

しがない消防士のナッシュに、突然思いがけない大金が転がり込みます。小さい頃彼を捨て、存在すらとうに忘れていた父が、蓄えをそっくり彼と姉に遺したのです。わお!
あこがれの新車を買いこみ、金の心配のない自由気ままなその日暮らしを楽しむナッシュですが、せっかくお金持ちになったのに、逃げた女房が帰るでなし、姉に預けた娘が戻るでなし、恋人一人つなぎとめることもできない。お金で手に入るものって、なんだか思ったほど多くないような。
結局、唯一の「買える」自由にかじりついて、贅沢な放浪生活を始めますが、むなしさがつのるばかり。やがて無限に思えた大金も、じりじりと底をつきはじめます。
そんな折も折、ポーカー師のポッツィが彼のところに転がり込んできました。ナッシュはポッツィと組んで、一攫千金を狙うのでしたが……。




いったん金に捕われてしまった人間は、もはやまともな人生には戻れないのでしょうか。拝金主義者たちの肥大した支配欲を冷笑しながら、ナッシュ自身もまた、彼らとの共通項を既に抱え込んでしまっているのです。

生活を支える労働は虚しく、ポッツィとの擬似家族もあえなく崩壊、すさんでいく彼の心をかろうじて正気につなぎとめるのは、子供の頃親しんだ音楽の世界だけ。そしてその音楽も不意に鳴り止む。

遺産によって破滅していくナッシュと対照的なのが、姉ドナの生活です。
ナッシュと同額の遺産を相続しながら、話に出てくる限りでは、何一つ暮らしを変えません。ダンナはあいかわらず教員を勤め、三人の子供、犬と猫、それに小さな姪まで加わった大家族を、至極堅実に切りまわしているようす。多少の不如意はあっても、お金に振り回されない生き方が、実は、いちばん自由で幸せなのだということでしょうか。

まあ確かにその通りなのですが、なんだか当たり前すぎてつまらない気がしないでもないですね。
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