常世国往還記

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人喰いの世紀

2007/04/20(金) 16:15:57

ハンニバル・ライジング 上巻 (1)
トマス・ハリス 高見 浩訳
新潮社 (2007/03)

リトアニアの貴族の家庭に生まれたハンニバル少年は、幼くして既に類まれな頭脳の片鱗を見せ始めていた。
豪奢な居城で、亡命ユダヤ人学者ヤコフ先生を家庭教師に、この世界の仕組みを学びつつ、優しい両親や忠実な使用人たち、そして最愛の妹ミーシャに囲まれた彼の幸福な幼年時代は、しかし、ドイツ軍のソ連侵攻によって無残にも打ち砕かれる。
混乱の中で、城も財産も奪われ、親しい人々をすべて失い、からくも一人生き残った十三歳のハンニバルは、戦後、フランスに住む叔父夫婦に引き取られるが、凄惨な体験のショックから、記憶と言葉を失っていた。
高名な画家の叔父と、その妻である美しく淑やかな日本女性、紫夫人の庇護の下で、彼は徐々に本来の自分を取り戻す。だが、利発で穏やかな少年の心の奥で、妹の記憶と共に、人として最も大切なものが欠落してしてしまったことに気づく者はなかった。
やがて、彼の周囲で起こる猟奇事件。捜査に当たったポピール警視は、異様に冷徹で、子供らしい動揺を全く見せないハンニバル少年に、疑惑の目を向け、執拗に接触するが…。


「レッド・ドラゴン」でデビュー、「羊たちの沈黙」でブレイクした(笑)、怪物カニバル・ハンニバルことレクター博士の生い立ちから渡米までを描いた、シリーズ第四作。
前作「ハンニバル」での挿話を受けて、聡明で無邪気な天使が、想像を絶する経験を経て、世間を震撼させる悪魔と変じるまでを描いています。

そこはまあいいのですが、今回は、ヒロインが日本女性であることから、全編に日本趣味をちりばめてありまして、残念ながら、日本人としては何かと引っかかります。細かい点には目をつぶるとしても、全体に、平安貴族趣味と武士道という、ガイジンの好きな二大ニッポン文化がごった煮になっているあたりがどうも、取って付けたような感じです。(これでニンジャが出てくれば完璧だったのにねえ。)

紫夫人のやることも言うことも、西洋から見た「日本女性」のイメージを継ぎはぎしたアンドロイドみたいです。多少原文から逸脱してでも、言葉遣いなり何なり、和訳のほうで雰囲気を補えば、少しはどうにかできたような気もするのですが、時代がかった(昭和ですらない)内容の会話を、現代女性の口調で喋るものだから、何ともいえず妙な雰囲気。
ちなみに、名前の「紫」も、「紫の上」にちなんだのかと思ったら、式部のほうなんだそうで、これも、ちょっと違うのよ~と言いたくなりますね。

日本文化に限らず、今回は全体に、ハリスにしては作りこみが足りない印象です。
ハンニバルのトラウマについては、ほとんど前作を踏襲しただけだし、登場する悪役も平凡。レクター城のご家族をはじめ、せっかく実在のモデルまである叔父さんさえ、お上品なだけでキャラが薄い。彼よりシーザー(馬)のほうがまだしも印象的です。
マダム・バイオレットが戦中・戦後に置かれた微妙な立場だとか、今風のセクハラや人種差別なんかより、ずっと「お話」になりそうなネタが、いくらでも転がっているのに、表面的・断片的なエピソードだけで流してしまっているのはつまらない。
ポピール警視についても、書き込み不足のようです。敵味方はっきりしないところは面白いですが、のちのグレアムのように奇妙な共感が生まれるわけでもなく、頭脳戦での好敵手にもならず、何につけても中途半端で、出番が多い割には個性にも魅力にも乏しく、ハンサムという以外に何が取り得なのか、よくわかりません。こちらも、占領下のフランスでの精神的な葛藤を、もっと前面に出せば、性格に厚みが出て、存在感が増したのではないでしょうか。

結局、始めに映画化ありき、ということで、映画公開に併せて慌てて書いた、裏話的な読み物なのでしょうか。
ハリスはこういうことはやらない作家だと思っていたので、ちょっとガッカリです。
映画メインなら、それはそれですが、さすがにこれをスクリーンで見るのはいやだな。

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読んだ本TB:1CM:0
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ほしのあき本物の着替え盗撮発見!!|2007/04/20(金) 17:23

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