常世国往還記

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ゲームは二十歳になってから

2007/04/18(水) 18:36:01

脳内汚染
脳内汚染(book)
posted with amazlet on 07.04.05
岡田 尊司
文藝春秋 (2005/12)


主にコンピュータゲームが、子供の脳におよぼす悪影響に警鐘を鳴らした本。出版当時、ネットで大たたきにあっていたものです。
以前読んだ、同じ著者の「悲しみの子供たち」は、専門家らしく、どちらかというと地味なケーススタディ調で、どう見ても叩かれるような内容や文章ではありませんでしたが、本書はまた何で?


コンピュータゲームに習慣性があるというのは、考えてみれば当たり前の話です。繰り返しやりたくなるような「面白い」ものでなければ、商品価値がありません。わざわざクソゲー買うバカなんているでしょうか。子供にしろ大人にしろ、みんなが欲しがるゲームは、繰り返しやりたくなるように、うまく出来ているものです。誘惑に弱い小さな子供が手にすれば、他の事はそっちのけではまってしまうのは、むしろ自然なことでしょうね。

ただ、おもしろいのはいいけれど、成長期の子供が、朝から晩まで室内に座り込んで、こんなものにばかりとりついていたら、成長に悪影響があるに決まっています。
ゲームに没頭すれば、現実との区別がつきにくくなるのも、子供なら当然の話。子供の世界で、現実と仮想が交錯するのは、何もゲームに限ったことではありません。うちには、十六にもなって、ホラー映画でトイレに行かれなくなった人がいるくらいなんだから。
ゲームでスカっとしたことを、現実でもついやってみたくなっちゃう…そういうこともあるでしょうね。
小学生が殺人ゲームやエロゲなんて、ああとんでもない! ゲーム危ない!ゲーム良くない!

だから(二十歳は冗談としても)「子供はゲーム禁止にしましょう」という著者の主張は、多少極端とは思うものの、とりたてて反論すべき点も見当たらないのですが、実際に読んでみると、論旨にちょこちょこ瑕疵があるんですね。
たとえば、ゲームと子供の問題行動の関係を論じる根拠とされている「寝屋川調査」なるものですが、これが、どんなものなのか、読んでいてよくわからない。何がどれの何倍あって、というような書き方でなしに、生の数表やグラフなどをもっと入れて、数字自身に語らせることはできなかったのでしょうか。全体の調査票も欲しかった。
引用が部分的で、かつ具体性を欠くために、都合のいい部分だけを取り上げているのではと疑われかねません。

少年犯罪が急増しているかのような書き方もまずい。少なくともわが国では、戦後の一時期なんかより、現在のほうが、件数はずっと減っていますし、特に凶悪化しているという根拠もないはずです。社会環境の異なる外国の数字と、国内の話がごっちゃになっているように読めるのも良くない。世界の傾向と国内の実情はきちんと分け、できれば数ではなく、質のほうを問題にすべきだったと思います。

無理に他人の作った統計資料を根拠とするよりは、「悲しみの…」のように、著者の職業上の経験に基づいて論じたほうが、よほど説得力があったのではないでしょうか。主張はまともなのに、つまらないところで揚げ足を取られ、損をしているような気がします。

それにしても、ゲームの害を論じた本って、「ゲーム脳」にしろこの本にしろ、どうしてこう扇情的なタイトルがついているのかしら。「ゲーム脳のナントカ」は未読ですが、少なくともこの本の内容は真面目なものなのに、びっくりマークが四つくらい付いちゃいそうな題名が、まっくろな表紙に禍々しい雰囲気でどーんと並んでちゃあ、見るからにやらせっぽい…。逆効果じゃないのかなあ。


ところで、うちにも普通にゲーム機があって、子供も昔からそれなりにゲームをやってるので、私も脇からチラホラ見ていますが、ゲーマーの皆さんがおっしゃるように、ゲームそのものが害悪というわけではなさそうです(中にはかなりひどいのもありますが、それは書籍に猥本があるようなものです。すべてのゲームが悪いわけではない)。そこがやはり、麻薬とは違います。まあ、有益とも思わないけれど、トランプなどと同じように、何人か集まった時の遊びネタの一つですね。
種類を選び、限度を超えなければ、子供がやってもそれほど害になるとは思えません。

問題は「種類を選び、限度を超えなければ」←ここです。これが、簡単なようでなかなか出来ない。
子供もある年齢になれば、自己抑制がきくようになるし、第一ゲームばかりやってるほど暇じゃないので、自然と遠のきます。ほっておくとサルのようにやり続けて、ゲームから離れられなくなり、習慣化してしまう危険年齢は、せいぜい小学生くらいまででしょう。外部コントロールの必要な期間は、たいして長くありません。
しかし、そのわずかな期間、子供の行動と生活時間を管理できる家庭が、だんだん少なくなっています。

これは、家庭の教育力がどうのこうのという話じゃありません。共働きの核家族が珍しくない現状では、家庭が子供の行動を管理すること――時間を制限したり、よろしくないゲームを禁止すること――が、物理的に困難になりつつあります。だってパパもママもおうちにいないんだもん。
うちはゲーム機持ってないから/厳しく言ってあるから、大丈夫!と思っていても、親の留守に他の子が持ち込んだり、よその家に行ってやったりする場合もあります。
低学年のうちは、まだ大丈夫です。学童もあるし。でも、集団遊びが始まり、子供だけで遊びたがる年齢になると、コントロールは俄然難しくなります。子供はうるさい親がいない子の家に溜まりがちです。親が常駐している家の子だって、外へ出したが最後、絶対に大丈夫とも言えません。友達と遊ばせなければ、外へ出さなければ…もちろん、それはそれで、もっと問題です。

各家庭の自覚に訴えたところでどうにもならない現実がある以上、いっそ著者が言うように、何歳以下は禁止、と決めてしまうのも一つのやり方だと思います。
もちろん、そんな規則があっても、やらせる家はやらせるでしょう。高校生に酒を飲ます家があるのと同じですよねえ、監督。黙ってりゃわかりませんもの。
それでも、法律で禁止となれば、多少なりとも抑止力はあるんじゃないでしょうか。

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