常世国往還記

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アムステルダム (book)

2004/06/06(日) 15:47:40



アムステルダム
イアン・マキューアン著
小山太一訳 新潮社(新潮クレストブックス)1999年


かつてみんなのアイドルだった飛んでる(死語)モリーが亡くなりました。
お葬式に出席した元愛人の作曲家、タブロイド紙の編集長、そして二人に最強最悪のライバルとして蛇蝎の如く忌み嫌われる外務大臣。老境にさしかかり、それなりに功成り名とげた彼らは、かつての恋人の死にあたって、それぞれ複雑な思いにふけり、感傷だけでやめておけばよいものを、いい年をしてまたぞろガキっぽい恋の鞘当てを始めてしまう。恋そのものはとうの昔に失われてしまったというのに。

美しくて、溌剌として、頭の良かったモリー。
彼女はある日突然アルツハイマーを発症し、最後は廃人同様になってしまう。
自分が誰かもわからなくなったモリーを看取ったのは、彼女の華やかな恋愛遍歴のなかでさんざんふみにじられてきた(と、世間では思われている)おとなしい夫。誰一人見舞にも来ないなか、ようやく自分一人のものになった妻を、自宅で献身的に介護したのでした。
美しいですね。愛ですね。

ところが、自分こそ最高の恋人と自負する愛人たちは、肝心な時に何一つしてやらなかったにもかかわらず、厚顔にも

「かわいそうなモリー、アホなダンナに監禁されて」

なぞとほざき、作曲家に至っては「オレが夫だったら、モリーの尊厳を守るために、とっとと安楽死させてやったのに。そのほうが、よほどモリーのためだったろう」と考えはじめる始末。
……おいおい、殺すんかい!

登場人物全員、言ってる事とやってる事がまるきりチグハグです。
編集長は固い友情を誓った相手を、舌の根も乾かぬうちにサツへ売っちゃうし、硬派で鳴らす外務大臣は超恥ずかしい秘密を持っているし。
短期間とはいえ、こんな連中とつきあっていたモリーって一体…(-_-;)。




アムステルダムは、安楽死が合法化されている街。
作曲家は、モリーの葬儀以来、精神の死を恐れるようになり、もしボケてしまった時はアムステルダムに行って尊厳死を選びたいと願います。ところが、これが紆余曲折の末、とんでもない事態に発展してしまいます。
おかしくて、やがて哀しき、かな? でも、一人だけ勝った人がいるんですよね。


ドタバタ喜劇…だと思うんですけど。
かなりきついブラックジョークですが、いちいちガバッと外してくれます。純文学と思って真剣に読むと笑いそこなうので要注意。

ファレリー兄弟あたりが映画化したらばっちりって感じのこの変な小説、案外ですが多分元になった話があります。もちろん中心人物の年齢や設定などは違うので、モデル小説とは言えませんが、もともとはこのあたりから発想したのではないかなと思います。
"空洞のヒロインを巡る混乱"という点では、モリーじゃなかったマードックの「ユニコーン」と似た点が無いでもないですね。あ、雰囲気はまったく違いますけれども。

というわけで、映画「アイリス」をご覧ください。

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