常世国往還記

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絵のように詩のように

2006/05/25(木) 15:53:42

イベリア
イベリア~魂のフラメンコ~(cinema)
監督 カルロス・サウラ
ピアノ ロサ・トーレス=パルド他
サラ・バラス,アイーダ・ゴメス,
アントニオ・カナーレス
2005年 スペイン

19世紀後半スペイン出身の作曲家、イサーク・アルベニスのピアノ組曲「イベリア」をベースに、音楽と舞踊で構成したミュージカル。
「サロメ」同様に台詞を排除し、踊り手の動きと音楽以外の要素をぎりぎりまで切り詰めた、サウラ監督の一連のフラメンコ映画の集大成のような作品となっています。

邦題には“フラメンコ”とありますが、伝統的なフラメンコにとどまらず、ジャズ、クラシック、モダン・ダンスなど、音楽も舞踊も多岐にわたり、当代一流の舞踊家たちの、専門を超えた幅広いテクニックと、貪欲なまでの表現意欲が目の当たりにできます。

まとまったストーリーはなく、曲から連想する場面を、一見無関係につないでいきますが、スペインの歴史、宗教、民族、そして半島に生きる人々の喜怒哀楽や生老病死を象徴的に描いた一場一場は、まさに「イベリア」のタイトルに貫かれています。
そして、最後の「セビリア」に至って、広い舞台上で、老いも若きも、人生のさまざまな場面での、それぞれの喜びを踊り、嵐にも負けない生命の強さと美しさを歌い上げてのクライマックスとなります。

特に印象的だったのは、やはり、アイーダ・ゴメス、サラ・バラスの圧倒的な存在感。ただ単に美しいというより、見るものに畏怖さえ抱かせるような迫力です。
「グラナダ」におけるアントニオ・カナーレスの、これはフラメンコというより創作舞踊ですが、胸に迫る表現力も、一見に値します。
それからパトリック・デ・バナ。ベジャールのバレエ・ローザンヌでプリンシパルだったとのことですが、アスリートのような隙の無い動きと見事な肉体美(涎)。
あと、忘れちゃならない音楽。美人ピアニストのロサ・トーレス=パルドは、きつい、きっぱりしたピアノで、激しいフラメンコの踊りにぴたりと合っています。その豪快な弾きぶりがまた絵になって、ダンスの所作のようにも見えるのが面白い。

ところで、イサーク・アルベニスという作曲家、有名な人らしいですが、例によってぜんぜん知りませんでした。曲のほうもお初です。情けない。
映画で見ていても分かるとおり、相当な難曲。ドビュッシーらが好んで演奏していたとのことで、同時代のヨーロッパの音楽シーンではかなりポピュラーだったようです。

曲も面白いですが、それ以上に人物が変わってます。
四歳で大人顔負けのピアノ演奏を披露したモーツァルトばりの神童。しかし、中身はとんでもない悪ガキで、幼少時より数々の武勇伝をものし、とうとう12の年には本格的な家出を敢行、まんまと船に乗り込んで南米に渡り、以後、ようやく探し当てた父親に連れ戻されるまでの数年間、ピアノの腕をたのんで各地を放浪していたという剛の者です。
豊富なレパートリーと「海の上のピアニスト」みたいな曲弾きで、流しとしても超一流。モーツァルトもこれくらい度胸があれば、もうちょっとは長生きできたかも。
はたち過ぎて、最愛の夫人を得てから、一度は国に落ち着きますが、彼の仕事は祖国ではあまり好意的に迎えられず、結局フランスに居を移します。音楽的には生涯“スペイン”にこだわり続けた彼が、ようやく同胞たちに認められたのは、外国での成功による逆輸入のようなかたちでした。
遠きにありて想うもの。作品に漂う哀調は、作曲者の望郷の念でもあるのでしょうか。

 
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見た映画(DVD)TB:0CM:0
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