常世国往還記

本と映画のノート



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読書と映画の鑑賞記録。
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執念

2006/04/16(日) 18:07:31

蛇の形

蛇の形(book)
posted with 簡単リンクくん at 2006. 4.16
ミネット・ウォルターズ著 / 成川 裕子訳
東京創元社 (2004.7)
通常2-3日以内に発送します。


平凡な若い中学教師ミセス・ラニラは、ある夜の仕事帰り、近所に住む嫌われ者の黒人女性アン・バッツが、大怪我をして瀕死の状態で路傍に倒れているのを発見。ミセス・ラニラの通報や蘇生の努力もむなしく、アンはその場で息を引き取る。
アンの体にあった多数の外傷や死の直前の様子から、彼女は他殺を疑うが、やってきた警察の捜査はなぜかおざなり。彼女の証言はことごとく無視され、事件は目撃者も証拠もないのに「ひき逃げ」で処理される。頼りの夫も警官と一緒になって彼女を否定し、あげくの果てにはノイローゼ扱い。夫婦仲は険悪になり、遂には離婚寸前に。さらに、「黒人好きの変人女」と、近所の人々からの執拗な嫌がらせが始まる。
心身ともにぼろぼろになった彼女は、どうにか夫との関係を修復。海外へ移住し、子供をもうけ、騒動を忘れたかのように平穏な生活を取り戻す。
しかし、彼女の中で事件は終わっていなかった。
20年後、退職した夫とともに帰国した彼女は、警察を頼らず、自分自身でありとあらゆるつてを駆使して、徹底した再捜査に乗り出す。
彼女が開くパンドラの箱の中から飛び出したのは、女性・黒人・障害者・子供・小動物などあらゆる弱者に対する差別と虐待。嘘、ごまかし、職務怠慢、責任逃れ…。
胸の悪くなるような、町のみにくい素顔。そこには彼女の身近な人々の姿もあった。


なぜ・どのように・誰によって、アンは殺されたのか。
中心となる謎の周辺に、真実にかかわる無数の細かい謎がちりばめられています。
“人も物も見た目どおりではない”というのはいつものウォルターズ節ですが、今回は一部さらに「それがどうした」という二重のひっくり返しもあります。

事件当時の70年代末、サッチャー政権による公費節減と民営化の波をかぶり、崩壊しかけた市民生活を背景に、思いやりも助け合いの精神も後退して、人心がすさんでいく様子がリアルに描かれています。
特に、裁判所や警察など公的機関に対し、検視や現場捜査のやり直しを執拗に求める主人公に向かって、当局のみならず一般市民までが「税金をムダ遣いさせるつもりか!」と罵倒して、被害者の人権蹂躙に間接的に手を貸してしまうくだりはショッキングでした。

ところで、主人公は、なぜここまで事件にこだわるのか。20年も昔の出来事を蒸し返し、無関係の家族を傷つけてまで、自身の尊厳を取り戻さなくてはならないものなのだろうか。
読み進めれば進めるほど、そんな疑問が強くなってくる。これは、真相が解明されたあとも、最後の最後まで残る謎。もしかして、この主人公、けっこうイヤな女かも。なんか感情移入しにくいわ…というモヤモヤが、ラスト1ページで晴れる仕掛けです。やられた。


 
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読んだ本TB:0CM:1
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コメント

東京で現場などすさんでいく
東京で外傷と人権や強く変人女とか求める
東京でみにくい寸前とか忘れたか
大きい一般市民など忘れたか
果てなどを扱いしなかった。


BlogPetのありす #-|2006/04/17(月) 09:43 [ 編集 ]
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