常世国往還記

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マントを脱いだ又三郎

2006/04/14(金) 15:45:55

宮沢賢治「風の又三郎」精読

大室 幹雄著
岩波書店 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。


ファンにとっては常識なのでしょうが、宮沢賢治という作家/詩人の人となりを、私はほとんど知りません。

農業学校の教師として、寒冷地での農業の研究・改良に努めるかたわら、数々の名作童話や詩をものした多才の人、「雨ニモマケズ」刻苦精励、貧困のうちに病をえて早世……薄ぼんやりとそんなふうに思い込んでいたので、本書の冒頭で紹介される、裕福な質屋の跡取り息子としての宮沢像に呆然としました。

今ふうに言えばニート、退屈な家業を嫌って、いい年をしてふらふらと落ち着かない、理屈だけは立派なのらくら者。農業も所詮はお坊ちゃんの道楽。生活のかかった一般農民の真剣さとは比ぶべくもない。

とはいえ、学問・思想・芸術は、もともとこのような余裕の産物であって、経済的には無能の彼も、知的な生産性は群を抜いており、思想的には父の帰依する法華宗に始まり日蓮宗へ、やがて日常的な地を這う視線とは異なる高踏的な視野を得るに至る。
その世界観によって再構成した郷土こそ、彼の桃源郷・イーハトーブであり、理想郷に遊ぶ霊的存在として又三郎を位置づけたところで、大室先生のいつもの地平に軟着陸します。

おあとはどんどん風呂敷が広がって、とうとうマンの「ヴェニスに死す」までたどりつきます。
映画のほうの坊やは、先生のご趣味ではなかったようで、それには我々のイメージする少年美と欧米のそれとの違いが要因の一つではあるにせよ、小説のほうのタジウは、完全なる「聖性」より、少老病死の輪廻・回帰の象徴のように思われ、あの一種すわりの悪い、ひょろひょろと未完成の「若さ」は、熟れ過ぎて死の匂いのするヴェニスないしは主人公との対比において、まずまずのキャスティングと私には感じられました。

ところで、先日放映されたNHKスペシャル「巨大穴 天坑 謎の地下世界に挑む」、中国奥地の山岳地帯にぽっかりとあいた巨大な坑(あな)、その底に通じる地下水脈、別世界のおもむきに目を奪われました。
まさに、地上のすべてに通じる地下世界です。
あの地中深く隠れた水流の向こうに、もしや花咲く理想郷が…。

中国人の伝説は、どこまでが現実でどこからが空想だったのでしょうか。


 
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