常世国往還記

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ガリヴァー旅行記 (book)

2004/05/22(土) 14:54:58

ガリヴァー旅行記

ガリヴァー旅行記
ジョナサン・スウィフト1726 平井正穂訳 岩波文庫

誰でも知ってるガリヴァー旅行記ですが、大抵は大人国・小人国どまりではないでしょうか。
このさいですから、ガリヴァー氏の逗留先を全部あげてみましょう。




リリパット国
言わずと知れた小人国。ガリヴァー氏は巨人気分を味わいますが、あまり愉快な経験ではなかったようですね。
リリパット人は、体が小さいだけでなく、心もこせこせしていて、近隣ともめごとを起こしてばかりいます。

ブロブディンナグ(正しくはブロブディンラッグ?国)
大人国です。
リリパット人とは、体も心も対照的におおらか。ガリヴァー氏は、王妃様のペットとなって、大切にされ、まずまずの生活を送ります。

ラピュータ
ジブリアニメ「天空の城ラピュタ」の元ネタです。アニメでは、ハイテクでありながらもエコロジカルな理想郷という感じですが、原作ではかなり様相が異なります。ラピュータ人は数学と音楽の天才ぞろいで、高度な科学力を駆使して、空中の浮島ラピュータを作り出したのですが、彼らの知性は、地に足のついていないラピュータに象徴されるように、日常生活においてはあまり実用性がありません。
また、思考に熱中するあまり、他人とのコミュニケーション能力が退化してしまっており(どこかで聞いたような話ですね)、彼らと交わりたいと欲するガリヴァー氏は、大変な困難を感じます。

バルニバービ
上空に浮かぶラピュータに支配される国。ラピュータの科学力を実用化することに汲々としています。が、ほとんどがアイデア倒れで、国民生活は意外に貧しかったりします。(英国王立学士院のパロディだそうな)
とはいえ、この国の人たちは、ラピュータ人に比べれば、はるかに常識的で、ガリヴァー氏もここでは珍しい客人として大切に遇されるのでした。

グラブダブドリッブ
魔法使いの島。島民の大部分が幽霊という、薄気味悪い土地です。ガリヴァー氏は、族長の好意で、過去の英雄たちに面会します。

ラグナグ王国
日本と交易があることといい、中国のことかと思います。
叩頭の礼が風刺的に描写されています。
ガリヴァー氏は、当地特産のミュータント"不死人間(ストラルドブラグ)"に会って、不老長寿への幻想を打ち砕かれます。これも年長者を敬う儒教思想のパロディでしょうか。

日本帝国
ガリヴァー氏は、オランダ船をつかまえて帰国すべく、ラグナグから日本に渡ります。ちゃんと江戸で将軍に面会しているんですよ。
キリシタン迫害中の日本で踏絵をやらされそうになりますが、なんとかごまかし、大名行列にまぎれこんで長崎(ナンガサク)へ。首尾良くオランダ船に乗りこむことができました。

フウイヌム国
ある意味、いちばん異様な国かもしれません。
フウイヌム人は、人間じゃないのです。馬です。「フウイヌム」は、馬の"ヒヒーン"のような嘶きに相当する擬声語らしいです。
人間も居ますが、"ヤフー"と呼ばれ、知性を持たず、不潔で、ありとあらゆるいやらしい性質を持つ"動物"です。フウイヌム人は、ヤフーを飼いならし、家畜として使役しています。

沼正三「家畜人ヤプー」の元ネタですね。
「猿の惑星」の元ネタでもあるかもしれません。
実は、あの Yahoo もコレだったりします。

船員が反乱を起こして、この島に置き去りにされたガリヴァー氏は、初め、ヤフーと同種であることから、家畜扱いされそうになりますが、理解ある主人(無論馬です)に知性を認められ、やや微妙な立場ながらも、いちおう、友人として遇されることになりました。
スウィフト先生は、馬がお好きだったのでしょうか。
フウイヌム人は、まこと人類はかくあるべきといった、高潔な人格(馬格?)を持つとされています。
この理想的な馬人と深く友誼をむすんだガリヴァー氏は、すっかり感化されて、この国に骨を埋めても良いとさえ思うのでしたが、所詮は馬と人、いつまでもフウイヌム社会で共に生きるわけにはいかず、泣く泣くこの国に別れを告げることになります。
しかし、本国に戻ったガリヴァー氏は、周りの人間すべて、愛する家族に至るまで、あのいやらしいヤフーに見えてしまい、人間社会に溶け込めず、むしろ飼っている馬に愛着を感じるのでした。


ガリヴァー氏もかなりのものですが、著者のスウィフト自身がまた、大変な変わり者だったようです。
彼の、けっこうとんでもない人生については中野好夫著スウィフト考をどうぞ。
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