常世国往還記

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事実は告発する

2006/01/19(木) 11:45:42



著者は、主にドキュメンタリー番組の制作に関わってきたNHKの現職プロデューサー。
テレビ・ドキュメンタリーの発祥から書き起こし、放送が始まってから今日までに放映された、第二次大戦関連の主要なドキュメンタリー番組のダイジェストに、番組制作の背景や、当時の世相を付記、さらに、著者による考察を加えた、たいへんな労作です。

取り上げられた番組は実に70本。テーマ別、発表年順に排列され、作品そのものへの興味もさることながら、未だ戦争の傷跡の生々しく、視聴者の多くが当事者だった1950年代に始まり、今日に至るまでの、第二次大戦観の変遷がうかがえるのが面白い。
ドキュメンタリー番組は、リアルタイムの報道とは異なり、制作者の視点を中心にした「作品」であるとはいえ、あまりにも客観性を欠いた歴史本が大量に書店に並ぶ昨今、その時代時代において、真摯に事実に肉薄しようとする数々の試みを俯瞰した本書の意義は大きい。あらためて事実というものの重さを感じます。


政治的に利用されようが、個人がいかなる解釈が加えようが、起きたことは起きたこと。亡くなった人は戻らないし、残虐な行為に汚れた手は、どんな理屈をつけても洗い清めることはできない。肝心なのは、補償の形式や金額ではなく、あの戦争を正視することだったが、トップから一般市民に至るまで、当事者の大部分がそれを怠ったために、戦後の民主国家日本が虚構に堕してしまい、それが近隣諸国との軋轢の大元になっています。

日本の戦争責任があいまいにされたのは、占領国の都合によるものとの見方もまた、事実とは別次元の「解釈」にすぎません。
二世代隔たった今の若い層にとっては、参戦と敗戦は「愚かだがやむを得ぬ悲劇」であり、天皇以下日本人全員が歴史の犠牲者だったというひとつの「解釈」だけが真実となりつつあるのではないかと懼れます。


最終章では、昨年問題になった、政治権力による番組への干渉騒動に触れています。こういった事件も、本書の執筆動機のひとつであったかと思われます。
さすがに内部の人なので、それが事実であったか否かには言及せず、番組制作上の問題点―横槍の入りにくい表現方法があったのではないかということ―を上げるにとどめていますが、しめくくりの「検閲と隠蔽」の項は、メディアによる報道の限界を示唆しているのかもしれません。
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