常世国往還記

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順列都市 (book)

2004/05/20(木) 17:15:40


順列都市 (上)
順列都市 (下)

グレッグ・イーガン著 山岸 真訳 ハヤカワ文庫 1999年

玄人のみなさんにはあんまり評判が良くないようですが、私は映画「マトリックス」のシリーズ、けっこう好きです。安いラブストーリーなど、話の筋はともかくとして、この映画はイーガンを始めとする90年代SFの世界観を上手く視覚化してみせた作品だと思います。
少なくとも、私が「順列都市」描くところのバーチャル空間を比較的すんなり把握できたのは、「マトリックス」のおかげなので。

近未来の地球。世界はインターネットにより完全にボーダーレス化し、あまつさえ、人類は意外な形で時間の制約をも克服、不老不死を実現していた。すなわち、一人の人間の記憶、感覚、思考などもろもろの精神活動をすべてスキャンし、これを一種のプログラムとしてネット内を走らせることにより、少なくともサーバーが動く限りは、意識を永久に保つことができるのだ(もちろんサーバーは、永久に止まらない仕組みになっている)。金持ちの多くは、大金を払って自分自身をスキャンし、自分の「コピー」を肉体の死と同時にスタートして、バーチャル世界からネットワーク経由で生前同様に事業や資産を管理していた。すなわち、人間社会のさまざまな面で、これら有力者のコピーは恒久的に影響力を持つのだ――。

ここまでは、現在ではわりとありがちな展開かもしれません。「マトリックス」も似たようなものでしたね。
しかし、お話はここから。未来社会の設定はいわば前座で、作者はこれを枕に一種の思考実験を展開します。





三流プログラマーのマリアは、完全に自律したバーチャル生命体(それ自身で繁殖し、進化する)の創造に成功する。彼女にとっては、趣味的な育成ゲームにすぎませんでしたが、この実験に大金を出すという男が現れます。何のために?

この男、実は生存中から自分の「コピー」を走らせ、現実とネット世界を行き来しながら、バーチャル宇宙を創造しようという、壮大かつ狂気じみた野望を実現しようとしていたのです。
コピーなんだか生身なんだかよくわからない彼は、この計画にとって重要なファクターとなる実験を成功させたマリアにも、生きながら「コピー」となって、ネット内の作業に参加するよう要請します。

金とアイデンティティの保持との板ばさみになって悩むマリア。折しも不治の病にかかった彼女の母は、コピーとなって生き残ることを拒否し、肉体とともに滅びようとしていました。


現実、コピー、そしてバーチャル世界の中での現実とも言うべき生命体の存在。何に手が届き、何に届かないのか。オリジナルとは何か。非オリジナルは現実とはいえないのか。
次々に重層化する世界は、やがて、現実の気象を支配するという極めて世俗的な目的のためにカタストロフへ――。アンデルセンの「パラダイスの園」のラストを思い出しました。

結末がしょぼくて笑えます。身体性の回復って、まあ、こういうことなんでしょうね。

章立てなど、作品の形態自体が重層的な構造で、たいへん凝ったつくりなのですが、複雑すぎてよくわかんない…。せっかくの仕掛けが半分も味わえてない感じです。もっと頭良くなりたいです(泣)。


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