常世国往還記

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世界の中心で愛を叫ぶ (book)

2004/05/19(水) 16:41:34



世界の中心で、愛をさけぶ

片山恭一著 小学館 2001年


読みもしないで批判するのもどうかと思ったので、読みました。
さすがに買う気にはならないから、友人からの借り物です。彼女も「完全なムダ遣いだった、同じ金でランチすれば少なくとも腹はふくれた!」と口惜しがっておりますが、まあこうやって、まわりの奴に貸せるんだから(私で三人目)、人助けと思えばあながちムダでもないさ。
ところで、著作権論争かまびすしい昨今ですが、図書館がタダで貸すのが違法になるなら、こういう貸し借りもダメってことなのかな?

さて表題作。
悲劇仕立てのハーレクインロマンス。
売れるでしょうね、これは。何といっても、非常に安心な内容です。可愛くてまじめな男の子と女の子、甘酸っぱい初恋の思い出、交換日記、文化祭の劇、ロミオとジュリエット、ファーストキス、海、テスト、修学旅行……書いていてだんだん嫌になってきましたが、とどめに白血病(悲恋ものの死因ナンバーワン)だ!
すばらしい文章力で、平凡な道具立てを鮮やかに料理してみせるということもない。タイトルからして、「エアーズ・ロック(世界のへそ)でエンドマーク」ただそれだけ。チマチマした内容に比べていかにも大げさですが、何のひねりもありません。


しかしまあ、大衆小説って、こうでなきゃいけないんじゃないかと思います。いいんです、皆が知っているお話で。誰もついて来られないようじゃしようがないもんね。作り手は「きょうびの子は本を読まない!」なんて憤慨してないで、売る気があるなら読み手にあわせなきゃいけなかったんですよ。これまで小説なんて読んだこともない青少年たちなら、陳腐なんて言わずに感激して泣いてくれるかもしれません。
時代設定がよくわからないとか、高校生の会話になってないとか、少々気になることはありますが、本筋と関係ないからどうでもいいのでしょう。

この安心小説中、唯一非常に気になったのは、前半に登場する主人公のおじいさんです。

50年間初恋の人を思い続けるというのは、異常でも何でもありません。よくあることです。しかし、そのあとの行動は、どうみても正常ではありません。というか、分量に関係なく完全に犯罪です! さらに、この犯罪行為に年端もいかない孫息子を巻き込むというのは、まともな人間のすることとは思えません。一緒に埋葬してほしいなら、後でそのことだけを遺言すればよかったのです。
 
同じことのようでも、ラストの主人公の行動は死んだ恋人との合意の上ですが、おじいさんのは、読んだ限りでは一方的なものです。相手の死後にこのような自己中心的で異様な行動を取る人間が、以前からそうでなかったとは考えにくく、してみると、おじいさんの言う美しくも悲しい初恋は、果たして相手の女性にとってはどうだったのかという疑問がフツフツと沸いてきます。

「どうせ出征して死んでしまう人だから」と、つい情にほだされて結んでしまった約束にのぼせあがった男が、運悪く?復員してしまって、以来こちらの困惑もお構いなしにつきまとい、病気だなんだとごまかしてもなかなかあきらめないので、親がようやく探してきた見合い話(当時女性は結婚難)に慌てて飛びついて難を逃れたというのが真相ではなかろうか。
相手の結婚後も何かとちょっかいを出していたようなので、それはそれは迷惑したことでしょう。しかも生きている間ならまだしも、死んだ後で墓まであばかれるとは……。

おじいさんの半世紀にわたるストーカー話。個人的にはこっちのほうが面白そうだなと思ってしまいました。
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読んだ本TB:0CM:0
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