常世国往還記

本と映画のノート



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かもめ

Author:かもめ
読書と映画の鑑賞記録。
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虹の彼方に

2007/05/28(月) 00:28:29

ベティ・サイズモア
ベティ・サイズモア(cinema)
監督 ニール・ラビュート
レニー・ゼルウィガー、モーガン・フリーマン、
グレッグ・キニア、クリス・ロック
2000年 アメリカ
posted with amazlet on 07.05.26

田舎町の大衆食堂で働くしがないウエイトレスのベティ。そこそこ美人で、おとなしく気立てのいい彼女は、同僚や常連客の人気者だ。でも、バカで身勝手な夫は、誕生日におめでとうの一言もくれない人非人。さっさと自立して、あんな男捨てちゃえ!と友達は言うけれど、なんとなく踏んぎれない…。
そんな彼女の唯一の楽しみは、青年外科医の波乱万丈の活躍を描く連続テレビドラマ。主役デビッドの登場シーンでは、つい仕事も忘れてテレビに見入ってしまうほどの大ファンだ。
ある日、けちな犯罪に手を出した夫が、二人組のギャングに殺されてしまう。偶然現場を目撃したベティは、ショックのあまり正気を失い、ドラマの世界に完全逃避。自らをヒロインと思い込んで、衝動的に家を飛び出し、「運命の恋人」デビッドと結ばれるため、一路ロサンジェルスへと車を走らせるのだった。

ベティの話がおかしいことも、その元ネタにも、誰でもすぐ気づくのですが、彼女の「愛の夢」があまりにもきれいで無邪気なので、つい、面白がっておとぎ話につきあってしまいます。
誰だって、素敵な夢を見てみたい。信じてみたい。そんな人々の思いにいたわられ、ふわふわしたシャボン玉みたいに危なっかしい空想は、壊れそうでいてなかなか壊れません。
一方、夫殺しの容疑者にされたり、夫が隠した「ブツ」を狙うギャングたちが彼女を追ってくる、という、サスペンスドラマさながらの現実が、刻一刻と背後に迫ります。美しい夢と汚い現実の衝突、結果は吉と出るか凶と出るか。


強いショックから一時的に妄想の世界に逃避することを医学用語でフューグ(遁走。フーガの英語読みですね)というのだそうです。ドラマや小説や映画にはまっている時には、誰しもいくらか現実逃避的になるもの。だからこそ、ベティの奇行に少なからず共感できて、笑えるのでしょう。(同じ妄想でも、クレランボー症候群ともなると、完全な病気で、面白いどころではありません。)
登場人物が、彼女の夢に次々に感染してゆき、ドラマの虚実、夢と現実の境界もぼやけてきます。ベティは完全に夢の中の人になってしまうのか、ふたたび色あせた日常に戻ってくるのか。
とても健康的な結末が待っています。自分探しのラストはこうありたいものです。

「冬のソナタ」ファンのおばさんたちの気持ちがちょっとだけわかったような気がしました。そういえば、私のまわりにも、「ペ・ヨンジュンじゃなくて、チュンサン/ミニョン(ヨンさまの役名)が好きなの。あれが私の理想の男性」と言ってる人がいましたっけ。

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見た映画(DVD)TB:0CM:0

禁断の恋

2007/05/26(土) 15:30:26

ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション
ブロークバック・マウンテン(cinema)
監督 アン・リー
ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、
アン・ハサウェイ、ミシェル・ウィリアムズ
2006年 アメリカ
posted with amazlet on 07.05.25


婚約者のいるノンケのカウボーイが、ゲイと組んで二人きりで仕事をするうちに、ゲイに惚れられ、なんとなくその気になって、うっかりそっちの道に走ってしまい、人生を狂わせるという、ゲイ向けのヨロメキドラマを、アメリカの雄大な大自然をバックに撮影したシュールな作品。

姦通罪なんて何時代の話?ってくらい、不倫も離婚も当たり前の現代、悲恋で盛り上げるなら、もはやこういう設定しか残っていないかもしれません。…にしても、お話自体は陳腐でつまらないので、同じ趣味の人でないと、感情移入は困難です。映像的にかなりキツかった。ふぅ。
この手の恋愛ものなら、フォースターの「モーリス」(ゲイ版ボヴァリー夫人。映画にもなってる)のほうが、ずっと複雑で罰当たりで、面白いと思う。視覚的にもわりとソフトでしたし。


「パードレ・パドローネ」にも、牧童が孤独と無聊に耐えかねて、ヤギだったか羊だったかで…というエピソードが出てくるけど、人間がいれば、相手が男でもこういうことになるんだろうか。動物と人間と、どっちがマシなのでしょうか。
男じゃないので、こればっかりは、どうにもこうにもイメージできない。降参。

見た映画(DVD)TB:0CM:0

入隊13日目

2007/05/25(金) 18:49:02

Bootcamp Elite
Mission One: Get Started


う~ん、汗かいてスッキリ。
雨降ってもできるし(ジムはウォーミングアップがわりに自転車で行くので、基本的に雨だと行かない)。
ビリーがあれば、ジムいらないかな。やめちゃおうかな。

なみま雑記TB:0CM:0

二胡を聴く

2007/05/25(金) 18:40:48

姜建華-COLLECTION OF BEST-
姜建華
コロムビア室内楽協会 コロムビア・オーケストラ
コロムビアミュージックエンタテインメント
(2002/10/19)

二胡のコンサートに行ってきました。

じかに聴いたのは初めて。
もっと気取ったものかと思っていましたが、案外ライブ向きの楽器で、普通に弓で弾くほかに、はじいたり、叩いたり、絞ったり、聴衆とのかけあいで、コミカルに多彩な音を奏でます。踊って、跳ねて、猛スピードの曲弾きかと思えば、一転、スタンダードに嫋嫋と。音楽の原型の面白さをふんだんにとどめた演奏でした。

大ホールなので、マイクで拾った音だったのが残念。あまり音量の出ない楽器なのですね。ライブハウス程度の室内か、路上など屋外で聴くほうが楽しそうです。

偏愛音楽館TB:0CM:0

入隊12日目

2007/05/24(木) 17:55:58

今日はひさびさにジムに行った。
エアロビ40分とヨガ。それとマシンを少し。

やっぱり、動きが激しい分、ビリーよりエアロビのほうが疲れる。汗の量もハンパじゃない。
でも、筋肉への効き具合は断然ビリー。
ビリーのいいところは、短時間のうちに、ハアハアするスピード系の運動と、筋トレがほどよく混じっていて、両方がいっぺんにできるところだと思う。ジムへ行くと、両方別々にやらなきゃならないので、時間がかかって効率が悪い。

ヨガ(<なぜかポーズが取れない)は、場所を取らない・音出ないで、究極のおうちエクササイズなんだけれども、家でDVD相手にやってると、ほとほと気がめいってくる。まあ、基本コンセプトが「癒し」だから仕方ないんだけど、BGMは不景気、出てくるインストラクターのテンションも低くて、ほとんど寝そう。パワー出ない。ジムに行って、大人数でそろってやらないと、とてもじゃないけど間がもたない。

ダンベルトレーニングのDVDも、同じような感じで、辛気臭くて一週間と続かなかった。あんなものが続くのは、修行好きの三号くらいだよ。なぜ毎晩黙々と一時間もトレーニングできるのか、ほんとうに謎。勉強からの逃避という説もあるが…でも、逃避にもおのずと向かう方向があると思う。私なら、逃避先は絶対に筋トレではない。これは断言できます。

やっぱりビリーの最大のキモは、あのユーモラスな「掛け声(励まし?)」と、ハイテンションっぷりでしょう。見てるだけで気分が明るくなるもの。
明日はまたビリーに戻ろう。(本日は疲れたのでお休み。)

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仕掛け読本

2007/05/24(木) 17:10:53



読み方の難しい本です。

地下鉄サリン事件実行犯の豊田亨被告と、学生時代にそこそこ親しい関係だった著者が、豊田の側からオウム事件を見直し、この種の事件再発防止のために警鐘を鳴らす。
とまあ、そういうことになっているようですが、中で話が広がったり縮んだりして、結局いちばん言いたいことは何なのかが、よくわからない。別に言いたいことを一つにまとめなくたっていいのだけれども、あまりにも整合性に欠けていて、何がなんだか。

開高健ノンフィクション賞受賞作だそうですが、「ノンフィクション」でないことだけは確かです。
オウムに関する目新しい情報は、著者が立場上知りえた豊田被告の私的な側面のみ。特段のフィールドワークもなく、個人的な随想の域を出ません。
たとえば「アンダーグラウンド」などとは、加害者側から/被害者側から、という視点の違いのみならず、方法においても、全く逆のアプローチをとっています。
著者は村上春樹に対して批判的なようですが、そもそも違う次元に立っているのだから、かみ合わないのは当たり前です。


難解ではないが、とっても読みづらい。いらんもんがごちゃごちゃ混ざっていて鬱陶しい。うざいし変だ。
しかし不快さの底になんかあるような気もする。何だろうねこれは、とつぶやいたら、二号が言うには

「あー、これ書いたの、情報科の人だろ。狙ってやってんだよ。ヒッカケでしょ。情報科って、こういうウサン臭い話が多いんだよね~」

ああ、さよか。なるほど。
「相棒」と称する意味不明なツンデレ女子大生キャラも、過剰な悲憤慷慨調も、つまりこういう↓ことだったのかな。

「情動は思考より先に立つ」
だからお涙頂戴で釣りました。
「政府やマスメディアによるマインドコントロールって怖いよね」
ほらあなたにも根拠の不確かな被害者意識が! 
「團藤先生、立派な方です。生きた昭和史。三島を教えたこともあるって凄くない?」
すばらしい権威、思わずついていきたくなっちゃう。グル様、お導きください!(いえ、もちろん團藤先生が人格者でないと言いたいわけではありません。ただ、ご本人を直接存じ上げているわけでもなければ、著書の一冊も読んでいないのに、本書に書かれていることだけでそんな気分になるのはどうかということ。)
「この本、賞をとるくらいだから、すばらしいことが書いてあるに違いない」
でも実は、企画段階から、賞取る前提の出来レースだった。だから内容が「ノンフィクション」じゃなくっても無問題。(選者評を読みましたが、崔監督だけ空気が読めなかったのか、それともわざと反対役を引き受けたのか。何にしろ、本書の最終章にはいろいろと驚かされました。)
「このタイトル、よくわからないけど、なんとなくオシャレ。友情って大切だよね。海の表紙もきれい!」
ほら雰囲気にだまされた。パッケージは中身とほとんど関係ないでしょ。(サイレントって、誰が。豊田だって林だって、既にそれなりに語っています。それに、自ら語る内容が、必ず真実とも限らない。語ることによって何か解決するという保証もない。ちなみに、オウム事件に関して文字通りサイレントなのは、松本被告だけ。でも、松本はサイレント・ネイビーなんかじゃないし、著者も、松本に何か告白しろと言ってるわけじゃない。)

エトセトラエトセトラ。




結局、ボクもワタシも、オウムに取り込まれた豊田と同じでしょ。感覚や、イメージや、よさげな言葉や、既成概念や、先入観やらに、つい踊らされてしまうよね。そして、本当はよくわかっていないのに、わかったような気になってしまう。
もっと自分自身で、対象をよく見てよく考えましょう。うわべだけで、鵜呑みにするのはやめましょう。
何より、無反省のまま、脊髄反射的に行動するのはよくない。危険です。

――というテーマを学習するための、実習教材だったのですね、これは。


とても勉強になりました。謎のタイトルに惹かれて読んだ時点で、私も釣られて負けでした(笑)。
伊東先生、たいへんありがとうございました。

死刑制度をどのように考えるか、大学院制度を改革すべきか、など、個々の問題は、もっと広い視野の元で考えるべきでしょう。
また、組織犯罪の心理に関しては、ナチスの絶滅収容所をテーマにした「人間の暗闇」(これは本当に本当のノンフィクション)などと比較してみるのも面白いと思います。


ところで、オウムの一件以来なのかどうか、今の大学は、カルト宗教を過剰なくらい警戒していて、二号も入学以来、再三にわたって注意書きのプリントをもらいました。
「なんかさー、こういうのって逆効果じゃない? かえってチャレンジしてみたくなるというか」
こらこらこらこら。
そういう半端な好奇心が一番危ないんだよ。君子危うきに近寄らず。君子じゃないけど…とりあえず、そばに行くな、さわるな危険!

読んだ本TB:0CM:0

入隊11日目

2007/05/22(火) 16:45:40

Bootcamp Elite
Mission One: Get Started


今日もこれ。負荷付き。
負荷のせいもあるけど、なんか、前よりきつくなってる気がする。
動きが大きくなったから?
体重・体脂肪は、特に変化なし。

なみま雑記TB:0CM:0

死の夢をさまよう

2007/05/21(月) 18:38:10

血のささやき、水のつぶやき(book)
パトリック・マグラア 宮脇孝雄 訳
河出書房新社 1989.11

一時代前の小説のような、美文調をまじえた古風な趣の奇談集。
怪奇も謎も、すべて現実と夢(もしくは妄想)のあわいに漂い、確かなものは何も残らず、読む者を中空に置き去りにします。


天使: 売れない作家の「私」は、裏町で、いわくありげなゲイの老人と知り合う。彼は、若き日に出会った「天使」について語りだすのだったが…。
天人五衰の悲劇。ガルシア=マルケスの天使もひどい扱いでしたが、これはまた更に。く、臭い。

失われた探険家: 孤独な少女の秘密の友人。先の「天使」の流れで、主人公イヴリンの童心の喪失ととるか、あるいは彼女自身が探検家になりかわったと見るか、最後の読み方は分かれるところでしょう。

黒い手の呪い: 「インドへの道」のヒロインの脳内。異文化間に立つストレス、といっても、IT大国インドで、今どきこんなことを言っても始まらないけれど。

酔いどれの夢: 創作に悩むアル中画家の堕落。設定は古臭いですが、この作品集中最も現代的な短編。場末の風景が、悪と罪の心象へと転化していく過程を、まったりと綴っています。

アンブローズ・サイム: ある男の末路を、デッサンのように詳細な客観描写で。滑稽とグロテスクのないまぜになった、ブラックユーモア。

アーノルド・クロンベックの話: 若い女性記者による、連続殺人犯の死刑直前インタビュー。いや、まあこれは普通にやばいだろと思ってたら、案の定…。「ライフ オブ デビッド・ゲイル」のさかさまみたいな話。

血の病: 探検調査中にマラリアにかかり、九死に一生を得た人類学者が、めでたく帰国したんだけれども……おいおいおいおい、どこへいくんでしょうか、この話。まごまごしているうちに、畑の向こうに消えてった。

串の一突き: 自殺した孤独な叔父をめぐる謎。精神分析ネタをビシバシとコラージュしています。語り手の怒りもごもっとも。主治医がボンクラだと思う。分析そのものは当たってるのに、なんで気がつかないかなー。
精神分析の露悪趣味を皮肉った一編。

マーミリオン: 朽ち果てた屋敷にまつわる悲劇の伝説。「黒猫」やら「アッシャー家」やら、ポオのモチーフがいっぱいです。ゴシック・ホラーかと思いきや……。人間やめますか?

オナニストの手: クラブ「バビロニア」で巻き起こった罰当たりな騒動。この手が悪い。この手が憎い。聖書をネタにした2ちゃんねる的悪洒落。

長靴の物語: 核の時代の童話。閉塞した地下の箱舟における小家族の崩壊物語。

<蠱惑の聖餐=凄惨>: 「長靴の物語」の姉妹編です。人類の滅亡によって生まれる新世界。原題は腐敗とエロチシズムをひっかけた洒落で、神様はおりませんが。それはそうと、アリアドネは蜘蛛じゃなかったっけ?

血と水: 旧家を見舞う悲劇。正常と異常、正気と狂気、幻覚と現実が、合わせ鏡の像のように映し映される、混沌と理性の敗北。
ここに出てくるブロードムーアは、作者の父が医師として勤めていた精神病院とのこと。主人公の描写がやけにリアルですが、父上の患者さんがモデルでしょうか。

読んだ本TB:0CM:0

入隊十日目

2007/05/20(日) 17:47:15

Bootcamp Elite
Mission One: Get Started



リズミーファイター500gを、屋根裏の物入れから発掘。
十年も昔、初めてフィットネスをやった時に買ったもの。
「むしろ肉をつけたいんです」などと言い放っていた、あの頃の私を殴ってやりたい。

体操用の、落としにくいダンベルです。ビリーバンドは自信ないけど、両手にこれを持って、ちょっとだけ負荷をかけてみることにしました。
始めはどうってことないですが、最後ごろは、少し頑張る感じになります。
手ぶらでやるより気分が出るし、今はこれくらいがちょうどいいかな。

なみま雑記TB:0CM:0

風の向くまま

2007/05/20(日) 17:30:11

アルベニス:イベリア 全曲
ラローチャ(アリシア・デ) アルベニス
ユニバーサルクラシック (2003/10/22)


フランス新大統領サルコジ夫人は、アルベニスのひ孫だそうで。
なかなか奔放な方のようですが、血筋でしょうか。

映画「イベリア」で知ったアルベニス。
このあいだ、メガネ屋さんの店内音楽に使われていて、おやっと思いました。普段はイージーリスニングの軽いものばかり使う店なので。でも、聞いていて違和感がない。スタンダードながら、クラシックの重さがないのです。

改めてCDを聴きなおしてみると、譜面があるはずなのに、微妙に即興っぽい。かすかにジャズみたいな匂いがします。
なにしろ、少年時代に家出して、新大陸にわたって、しばらく流しで食べてた人だから、そんな癖があっても不思議じゃないですね。
そういえば、サルコジ夫人も、アメリカに駆け落ちしたことがあったんでしたっけ。

ラローチャはとても上手いのですが、重厚な音。アルベニスには、もうちょっと軽やかなピアノのほうが合っているかも。

偏愛音楽館TB:1CM:0

文・文・文

2007/05/19(土) 17:29:34

ブレア・ウィッチ・プロジェクト デラックス版
ブレア・ウィッチ・プロジェクト(cinema)
監督 ダニエル・マイリック&エドゥアルド・サン
ヘザー・ドナヒュー、マイケル・C・ウィリアムズ、
ジョシュア・レナード
1999年 アメリカ
posted with amazlet on 07.04.04


魔女伝説の残る森で、探検レポート制作のためにキャンプしていた若者たちが行方不明になった。その一年後、彼らのものと思われるビデオテープが発見されたが、そこに映っていたのは、なんと!ドタバタホラーフィルムであった。とっほっほ…。


いくらなんでも、手を抜きすぎではないでしょうか。低予算がどうのという問題ではありません。脚本くらい、ちゃんと作りましょう。ストーリーを、映像以外のところで説明しちゃうのはどうかと思います。本物らしく見えるようにったって、黙ってYouTubeにでも出すなら別ですが、さんざん宣伝した上での公開で、観客はすでに作り物であることを知っているわけですから、それはほとんど作り手の自己満足に過ぎないのでは。

粗い画像と不安定なカメラはまだしも、編集のいいかげんなフィルムをえんえん見せられてゲンナリ。煽りかたもありきたりで、これで怖がれと言うほうが無理。夜中にうちのトイレに行くほうが、よっぽど怖いよ。物音や大声など、あまりにもベタです。ていうか、うるさい。
この手の手法なら、たとえばワイズ監督の「たたり」なんかのほうが、比較にならないくらい洗練されています。まあ、相手がワイズ作品じゃ、買い付け価格も比較にならないでしょうが。
とにかく、素人ビデオという設定を、下手と手抜きの言い訳にしているとしか思えません。

フラフラ動くハンドカメラの映像に酔っちゃった。そういう意味では、ものすごく気持ちの悪い作品でした。



なお、ビリーは本日もお休み。
見た映画(DVD)TB:0CM:0

入隊八日目

2007/05/18(金) 22:28:29

体調不良により、一回休み。

なみま雑記TB:0CM:0

敗軍の将の不在

2007/05/18(金) 22:17:59

検証 戦争責任〈1〉
読売新聞戦争責任検証委員会
中央公論新社 (2006/07)

二巻本の体裁ですが、続き物ではありません。
大東亜戦争全体にわたる、タイトルに沿った内容は(1)で、(2)はもっぱら個々の事実について、「敗戦責任」を批判したもの。おそらく(1)(2)それぞれ、別の時期に新聞紙面で連載した特集記事をまとめたのでしょうが、重複する部分も多く、やや冗長に感じられます。全部ひっくるめて編集しなおしてもらいたかったところです。

全体に、これまで刊行された種々のテキストのおおまかな総ざらえで、研究書といえるほどの深さはなく、物足りない反面、万人向けで取っ付きやすいのがいいところかもしれません。
特に(1)は、文体も中身も歴史教科書に毛の生えたレベル。「検証」を期待して手に取るとがっかりするかもしれませんが、さらっと全体を俯瞰するにはまずまずでした。

一読して思うのは、「責任」とは、検証したり研究したりするものではなく、誰かが取ったり取らされたりするものだろうということ。「検証」すれば、「責任」はどんどん拡散し、その所在は不明になってゆくばかりです。
誰かが取るのでなければ、「責任」は存在しないも同然です。
ドイツやイタリアでは、ヒトラーなりムッソリーニなり、事の中心にあった人物が死んでくれて、「責任」の問題が単純化されました。彼らを「責任」の中心に据え、あとはそこからの距離で軽重を計ればよかったからです。
彼らが戦後も生きていたら、(もちろん死刑にはなったでしょうが)いろんな条件が勘案されて、責任問題はもっと紛糾したのではないかと思います。彼らがどこまで独裁的であったのか、現在考えられているほど、すべての面において独断的に裁定していたのか、今となっては誰にもわかりません。

結局、戦争裁判はあったものの、日本では最終的に誰に責任があるのか分かりませんでした。事実がどうであったにせよ、また、自身がどう考えていたにせよ、天皇も一切責任を取ってこなかった。
そのために、部分的な責任ばかりが焦点となり、国民を含めた当事者全員にとって、戦争の発生も推移も、何か他人事のようです。そんなことから、靖国の合祀があいまいな基準のまま行なわれてしまったのではないかと思います。
個々の事象を掘り下げていけば、(1)巻末のシンポジウムにおける櫻井女史の発言に見るように、「日本だけが悪いんじゃないもん!」という話になるに決まっていて、それは史的研究においては正しい態度であっても、現在まで尾を引いている「戦争責任」問題を考えるにあたっては、全く意味をなしません。
同様に、個々の事実を洗い出して、個別の「責任者」を認定しようという本書の意図も、それほど意義のあることとは思えないのです。
スーパーバイザー気取りで、政府や軍関係者を弾劾したり、戦争の名称変更を提案したりする暇があったら、メディア自身の「戦争責任」を、自ら詳細に分析するほうが、よほど将来のためになったでしょう。

それにしても、これほど痛い目にあっていながら、日本というのは、懲りない国です。
アメリカの傘下という特殊条件を忘れて、飛躍的な経済発展を自力だけでなしとげたように思い込み、一部の私企業の成功を、国全体の快挙と見なし、借金まみれで食糧すら自給できないくせに、先進諸国と肩をならべたと勘違いしてる現在。
局地戦で一つふたつ勝ったくらいで舞い上がって、欧米に対抗できると考えた開戦当時と、精神的には大して変わっていないような気もします。
中国やインドが伸びてくるのは当然。彼らはもともと「持てる国」なのだから。あらゆる面で抜かれるのは時間の問題でしょう。辺境の小国・日本は、彼らと同じ土俵で対抗し、優位に立とうなどと無駄なことを考えず、たとえばシンガポールや、世界の金庫番スイスや、北欧諸国のように、堅実な独自の道を選ぶ冷静さを持つべきなのでは。
とはいっても、アキバ立国はちょっと願い下げだけど…。でも、それしかなければ仕方ないのかなあ。

読んだ本TB:0CM:0

入隊七日目

2007/05/17(木) 22:18:20

Billy's Bootcamp Elite
Mission Two: Maximum Power


Mission Two 二回目。ちょっとは慣れたけど、やっぱりきっつー。
明日から1に戻す。欲張らないことにします。


バームウォーターを箱買い。
4、5本ずつ買うのが面倒になった。

なみま雑記TB:0CM:0

入隊六日目

2007/05/16(水) 22:20:24


来た。
Mission 3 のことを考えると、若干不安だが、とりあえずやってみる。
本日は、珍しく普通の時間に在宅していた2号も参加。「軍隊式トレーニング」という点が、ミリタリーおたく心をくすぐるわけですね。
しかし、さすがに三人いっぺんはスペースに無理がある。
キックで顔を蹴られて家庭内暴力。うゎち。

全体的に、1をよりハードにしたようなもの。各パターンが、ちょっとずつ長く、きつくなってる。3の腹筋ほどじゃないけど、しんどいわこれ。っていうか、後ろの人たちも、ちっともできてないじゃん! 助手のお姐ちゃんでさえ、後半は腕が上がってないし。

普通、この手のビデオって、映ってる人たちは、「こんなのカンタンよ~」みたいな涼しい顔してやってるものなのに。
そういえば、ビリーのビデオのスタッフって、必ずしも全員ナイスバディじゃない。さすがに激太はいないが、おなかのへんがぷよっとしたままの人もいる。
こういうごく普通の人たちが、ビリーの後ろでウンウン言いながら大汗かいているわけで、「ああ、つらいのは私だけじゃないんだ。ビリーみたいな特殊な人以外は、誰でもつらいものなんだ。頑張ろう」という気にさせてくれるのが、bootcamp のいいところ…と、ビリーも最後のお説教タイムでそう言ってます。

無理だ、もう限界…って思っても、ビリーが「Maximum Power!!」と叫ぶと、なんとなく最後までついていけてしまうから不思議。


ところで、体より頭がついていけずに、泡食っていた2号君でしたが、初体験のご感想は?

「おお~、合宿とかに持ってったら、絶対受けるぜ、これ!」

というわけで、合宿のレクリエーションタイムにもお勧め。

なみま雑記TB:0CM:0

入隊五日目

2007/05/15(火) 18:36:37

Bootcamp Elite

首が痛いので休み。
今日になって、下腹の筋肉痛が少々。
3は当分やらないことにした。

体重が500グラムほど落ちた。でも、ホルモンバランスの乱れで、いつも一ヶ月に1~2キロは変動するから、そのせいかも。
体脂肪率はぜんぜん変わらない。むしろ増え気味。がっくし。

なみま雑記TB:0CM:0

人類の捕食者

2007/05/15(火) 18:32:15

ホット・ゾーン―恐怖!致死性ウイルスを追え!ホット・ゾーン(book)
リチャード プレストン 高見 浩 訳

小学館 1999-03

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アフリカの一部地域で爆発的に流行したエボラ出血熱。その原因となるウイルスをめぐる、ウイルスハンターたちの活躍を追うドキュメント。
細菌学者というと、研究室内で顕微鏡をのぞいているイメージですが、本書に出てくる専門家たちは、ものすごくワイルドな仕事をしています。体力無いとやってられませんね。
それにしても怖いです。なまなかのホラーなどでは追いつきません。キングの「ドリームキャッチャー」は、この病気からの発想だな。映画のほうもそんな感じ。あのストーリーそのものが、エボラの暗喩とも考えられます。キングの賛辞って、テキトーなのが多いですが、この本の宣伝に書いたのは、けっこう本気だったんじゃないかという気がする。

とにかく、ヘタな場所に旅行するのが怖くなります。手をよく洗って、うがいして…そんなんじゃダメなんだよう。
とりあえず、はしかにも気をつけよう。


ちなみに、私がエボラを初めて知ったのは、この本です。

アウトブレイク―感染
ロビン・クック 林 克己 訳 早川書房 1988-03
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これまた怖い怖い医学ホラー。
もし、エボラによるバイオハザードがアメリカ国内で起こってしまったら…。「最悪の事態」を想定したフィクションです。
映画にもなりました。

読んだ本TB:1CM:0

入隊四日目

2007/05/14(月) 17:58:21


頼んでおいたら、在庫の関係で、3のほうが先に届きました。
タイトルの通り、腹筋運動です。
といっても、寝っころがってする運動はそれほどないみたいだし、時間も全部で30分程度と、1より短いくらい。
バンドなしでやれば、たいしたことないだろうと、か~るい気持ちで…。

すみません、私が間違っていました。
き、きっつい……。上がらない…。首が攣った。

あう。1とは全くレベルが違うじゃないか。
痛い。痛いよう。
ビリーは、「首を痛めるから腹で上げろ」と言ってますが、言われて上がるような腹なら、こんな運動やってないって!

これは効きます。嘘じゃないです。
バンドは一生いりません。

なみま雑記TB:0CM:0

入隊三日目

2007/05/13(日) 18:17:34

Bootcamp Elite Mission One 三日目。
うーむ。これだけだと、ちと飽きてきますな。
そろそろビリーバンドがあったほうがいいと思う。
三号は、今日はお休み。体育のサッカーと、部活の筋トレのやりすぎでへろへろ。
体重は、減らない、どころか増えた。だめじゃん。

なみま雑記TB:0CM:0

咳をしてもひとり

2007/05/13(日) 18:08:08

ナイトホークス〈上〉
マイクル・コナリー 古沢 嘉通 訳
扶桑社 (1992/10)

ロス市警殺人課の花形刑事ボッシュは、捜査中に誤って犯人を射殺してしまったことから、降格処分になり、ハリウッド署に飛ばされてしまった。忙しい市警とは対照的に、今度の職場は万事いいかげんでのんびりムード。相棒は副職の不動産業が忙しく、死体発見の呼び出しさえ迷惑げで、憮然とするボッシュ。
しかし、現場で土管の中の遺体を見たとたん、彼に緊張が戻った。死んでいたのはベトナム時代の戦友メドーズ、死因は麻薬の過剰摂取。ボッシュは一年前、この男から麻薬をやめる件で相談を受け、手を貸してやっていた。プログラムはうまく行き、無事社会復帰を果たしたはずだったのに、結局悪癖が抜けなかったのだろうか。
だが、ボッシュの鋭い目は、遺体の注射痕や、現場の状況に、いくつか納得のいかない点を発見する。これは殺人ではないのか。
穏便にすませたがる同僚たちを尻目に、ボッシュは単身捜査を始めるのだったが、メドーズの私生活をたどるうち、半年ほど前に起きた銀行強盗事件との接点に突き当たる。


ボッシュの衝撃の過去が明らかに!って、これがシリーズ第一作で、私が逆から読んだだけなのでした。
ロス市警時代にボッシュが活躍した事件が、まるで既に刊行されている話みたいに随所に出てきます。手柄はたくさん立てたものの、独断専行の多い彼は、組織内では嫌われ者で、左遷後も本庁内務監査課のスパイが、彼の首を切るネタはないかと身辺を嗅ぎまわっています。かつてマスコミの寵児だった彼を妬む同僚も多く、「堕ちた英雄」は上からも下からも厳しい視線にさらされている…というのは、日本でもありがちな話ですね。
おそろしく働きにくい状況下、ボッシュがあっちやこっちに遣いたくもない気を遣いながら、どうにかこうにか、一歩一歩調べを進める。そこへFBIがからんで、さらに混乱するという展開です。

「赤毛連盟」みたいなトンネル銀行強盗の話に、ベトナム時代の恐怖の記憶や、FBIの女性捜査官エレノアとの、ハードボイルドにあるまじき艶っぽいエピソードもはさんで、濃密なストーリー。
戦争中、トンネル工兵として抜群の技術を誇った復員兵メドーズの転落物語かと思いきや、事件は意外な方向へ向かい、ラストでふたたび大きくハンドルを切ります。

ジャーナリストとして活躍する著者のフィクション第一作。エンタテインメントを意識したのか、内務監査のルイス&クラークなど、マンガみたいなありえない設定も散見しますが、トンネルの描写や、ベトナムからつながるさまざまな社会問題を、それとなく裏にひそませていて、見た目以上にボリュームがあります。
戦争でも、戦争が終わってからも、むくわれない一兵卒に忍び寄る黒い誘惑。彼らに共感しながら、それでも断罪せざるを得ないボッシュ。灯の消えた暗いトンネルに佇むボッシュの姿が目に浮かぶようです。

読んだ本TB:0CM:0

入隊二日目

2007/05/12(土) 20:15:43

ふたたび、Bootcamp Elite Mission One

動きはほぼマスターしたので、余裕をもって動けます。楽しい。
ビリーの筋肉に惚れ込んだ、筋肉大好き3号くんと一緒にやりました。
二人同室でやっても、余裕です。
インストラクターがおっさんだし、動作がキックやパンチなので、男性にも抵抗感がないですね。
後ろのメンバーは、男性・女性・人種もさまざま。スタイル抜群というよりは、がっちりしたアスリート体型の人が多く、脚長ハイレグお姐さんがズラリと並ぶありがちなエアロビDVDと違って、雰囲気がとても健康的。子供が見ても問題なし。


3号は、この手のフィットネスの経験皆無なので、「難しい、頭が疲れる」と言っております。まあ、日ごろから疲れやすい頭の持ち主ではあります。
運動量は、やはり彼には軽めで、「筋トレ前のウォームアップにちょうどいい」とのことです。ウォームアップに40分もかけるのか…。10分休憩、その後40分ばかり日課のダンベル&筋トレをやっておりました。ああ、勉強にもこのマメさがあれば。あの上腕二頭筋のパワーが、脳みそに付いておればと思ふ。

なみま雑記TB:0CM:0

体験入隊

2007/05/12(土) 00:32:04



むむ。テレビCMに釣られました。
こういうのって続いたことないんで、いきなり全巻セットを買うのも考え物。でもやっぱり全部やりたくなったとき、重なるともったいないので、CMでやってるのとは違う、ニューバージョンのバラ売り(英語版)を、お試しで買ってみました。

格闘系の動きを入れた筋トレ。なるほど、うまく出来てるもんですね。
割と単調な動きの反復なのですが、ここぞという時に、「perfect!」「come on!」「good job!」など、ビリー小父さんの合いの手が絶妙で、最後までテンションが落ちない。
それから、いかにもアメリカ人らしいというか、各エクササイズが終わるたびに、いちいち後ろのみんなが「イエ~!」とか言って万歳するので、合間合間で達成感があって退屈しません。とっても乗せ上手。最後はハイタッチで抱き合ったりして、見てるほうもヤッタ~!!という気分です。
いやあ、私の通ってるジムじゃ、きついシリーズが終わると、老いも若きも、みんな一斉にため息ついてますもんね。ふう~~。アメリカ人てどうしてこんなに元気だろう。

宣伝に偽りなしで、本当に畳1~1.5畳のスペースから出ずにできます。運動のための場所を作るのって、意外とおっくうで、そのせいで続かなくなったりするんだよね。
ほぼヨガマットの上で充分。飛び跳ねる動作も少ないから、ほんとに室内向きです。下がすべるとやりにくいので、ヨガマットなしだとつらい。ほんとは靴をはいたほうがいいと思う。


肝心の効果はというと、バンド(エクササイズ用のチューブ)を使わなかったので何ともいえませんが、導入編だからか、話に聞くほどではなかったかな。ジムのエアロビのほうが、前後左右の移動が入る分きついです。
ウォームアップから始めて、最後のクールダウンまで全部で約40分。動きの説明を丁寧に入れてあるので、つなぎの時間がけっこう長く、通しでやっても気持ちよく汗をかく程度。
いつものエアロビクスよりワンテンポ速いけど、ちょっと慣れればついていけないほどではありません。
ほんとにこれで3キロも4キロも痩せるの? ひねる運動が多いから、ウエストは締まりそう。

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陪審員制シミュレーション

2007/05/11(金) 23:13:06

検察審査会の午後
佐野 洋
新潮社 (1996/09)

検察審査制度なんてあったんですね。初めて知りました。
検察が不起訴処分にした事件について、原告から申し立てがあった場合に、11名の一般市民からなる「検察審査会」が合議制でその妥当性を審査するという仕組みらしいです。近々実施されることが決まった陪審員制に似ていますね。
本書は、作者が実際に審査員を経験した人たちから聞き知ったエピソードを、小説仕立てに再構成したもの。陪審員制度実施の前に、実際の会議のようすはどんなものだろうかと思って読んでみましたが……。

う~ん、探偵気取りであちこち嗅ぎまわったり、聞き込みに近いことまでやるのは、権限を逸脱しているんじゃないでしょうか。一部の審査員で事前打ち合わせや根回しみたいなことをやるのって、審査会の趣旨に反してはいないんでしょうか。
十二人の怒れる男」みたいに、会議室の中で完結するものではないようですね。
申立人の立場に立ってみると、こんなの嫌だろうなあと思ってしまいました。スケベな変態オヤジまでいたりして!ほんと嫌だわ!(イエイエ、このお話はフィクションです。)

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夜回り弁護士

2007/05/10(木) 18:50:16

路上の弁護士〈上〉路上の弁護士〈上〉〈下〉(book)
ジョン グリシャム 白石 朗 訳

新潮社 2001-08
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ワシントンDCきっての大手弁護士事務所“ドレイク&スウィーニー法律事務所”に、銃を持ったホームレス風の男が押し入り、居合わせた弁護士9人を人質に、会議室にたてこもった。男は、要求をはっきりさせないまま、まもなく駆けつけた警官に射殺されるが、人質の一人で、一部始終を間近で見たマイクルは、事件のショックから、仕事が手に付かなくなってしまう。
男は何がやりたくて、こんな騒動を引き起こしたのか。犯人ハーディーについて調べる過程で、マイクルはホームレスの人権擁護を専門にする弁護士、モーディカイと出会う。彼に伴われ、救貧施設を訪れたマイクルは、究極の貧困生活に耐える人々の実態に衝撃を受けつつも、彼らを守ろうとするモーディカイの無欲な人柄と、その生き方に強く打たれる。
一方、ハーディーの犯行動機を調べるうち、彼は、ドレイク&スウィーニーが再開発事業に関連して、ある廃ビルからハーディーらホームレスを強制退去させていたことを知る。行き場の無い人々を、真冬の寒空の下に追い出すだけでも非人道的だが、しかもその退去処分自体が、どうやら違法だったようなのだ。
処分を決定した同僚弁護士の不正を発見したマイケルは、人生の方向転換を決意する。無力な人々の盾として、金にはならなくとも、天に恥じない、人間として実りのある生き方をしよう。その手始めに、彼は立ち退き処分の違法性を暴こうと考えるが…。


グリシャムお得意の「青春の冒険」ものです。さすがにちょっとワンパターンですが、後味が良いので、読んでいて安心。
日本の格差などよりはるかに根深く深刻な、米国のホームレス問題を紹介したのが手柄です。ホームレスの実態や、ボランティア団体の活動の描写に熱が入るあまり、お話のほうは駆け足ですが、それはまあご愛嬌でしょう。

「逆差別」的な問題を取り上げた、「エンジェルズ・フライト」とは逆の、ストレートな問題提起。経済格差が問題の大半を占める日本と違って、あちらでは、人種差別が底流となっており、経済支援だけではなかなか解決の難しい問題です。出てくるホームレスはみな黒人、支援者の大半も黒人。対するドレイク&スウィーニー側の弁護士は、全員白人。「エンジェルズ・フライト」にあるように、現実はこれほど単純ではないでしょうが、まあ、大雑把に色分けが出来ることは間違いないと思われます。

アメリカンドリームなどというきれい事では割り切れない米国社会。しかし、公益法というものの存在が、わずかに救いではあります。

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オセロゲーム

2007/05/09(水) 18:05:41

エンジェルズ・フライト〈上〉
マイクル コナリー  古沢 嘉通 訳
扶桑社 (2006/01)

ハリウッド署殺人課のボッシュは、せっかく非番の日だというのに、家にこもって、戻らぬ妻エレノアからの連絡を不安な思いで待っている。鳴り出した電話に飛びついたボッシュに告げられたのは、予期した妻のことではなく、LA郊外のケーブルカー“エンジェルズ・フライト”の車内で、二名の他殺死体が発見されたとの報だった。なぜ管轄外の彼に呼び出しが? ボッシュの疑問は、現場で氷解する。
被害者の一人は、管轄署と係争中の、人権問題専門弁護士エライアス。死体の状況から、動機は、エライアス個人に対する怨恨の線が濃い。怨恨…となると、裁判の被告である市警察の警官が、容疑者の筆頭ということだ。
身内を取り調べるという嫌な役回りを命じられたボッシュ。しかも、被告の一人は、彼のもと相棒シーハンだった。シーハンの公正な人柄に絶対の信頼を置くボッシュは、彼にかかった二重の疑いを晴らすべく、チームを率いて事件の真相を探り始めるが、警察内部の人間による捜査妨害、組織の政治的な動きや、人権訴訟を恐れるあまりの過剰なまでのコンプライアンス、マスコミに煽られた黒人コミュニティによる見当違いの報復など、ありとあらゆる障害に阻まれ、事態はボッシュの期待とは逆へ逆へと動いていく。


OJシンプソン事件以来、人種差別問題に関して非常に神経質になっている警察内部の様子が描かれています。それまで気を遣わなさすぎの感もあり、それがとかくの噂の種にもなっていたので、努力目標としてこの程度はあってもいいのではないかと思わないでもありませんが、現場は確かにやりにくいでしょうね。
日本でも、一連の企業不正事件などから、各社でコンプライアンスが合言葉のようになっています。そのための仕事が増えて、実務にあたる社員は大変。コンプライアンスにかまけて、本業が滞ることも少なくありません。ボッシュの愚痴に共感する人も多いでしょう。
この小説では、現場の風通しを良くし、関係者全員が情報を共有しようと努めた結果、逆に情報リークを招き、捜査を阻害してしまうという皮肉な成り行きを書いています。しかし、確かにそのような危険もあるとはいえ、やはり隠密行動は、「絶対的な正義」が存在するフィクションのヒーローには許されても、現実社会で推奨されるべきではないでしょう。

シンプソン事件を髣髴とさせる冤罪裁判のみならず、全体が、日本でもよく知られているもう一つの超有名未解決事件を思わせる展開で、ジャーナリスティックな雰囲気がぷんぷん漂うミステリです。さて、ボッシュのいない現実界での事件の真相はいかに。


ところで、「ハードボイルド」を意識してか、えらくスカした邦題が付くことの多いマイケル・コナリーの警察小説。この作品も、もとは「堕天使は地獄へ飛ぶ」というたいそうな(しかもネタバレっぽい)タイトルが、原題どおりシンプルに改題されました。
タイトルがずばり事件現場の名称であると共に、エンジェルが意味するのは、黒人社会の守護天使とうたわれる弁護士エライアス、誘拐殺人事件の被害者である美少女、署内コンプライアンス委員会とでも言うべき内務監査課、正義を貫くボッシュとも考えられるし、もちろんLAのことでもあるだろうし、なかなか意味深です。

障害に立ち向かうボッシュの勇気を強調するあまり、「予想外の困難」が頻繁に起こりすぎ、かえって先が予測できてしまうあたりが、ミステリとしては難点ですが、作者の筆力で細部まで読ませます。人間観察に優れた作家で、登場人物の性格描写が見事です。
特に魅力的なのは、主人公のボッシュ。能天気な正義のヒーローではなく、人間的な弱点を持った複雑な人物として描かれています。市警察の天敵エライアスを毛嫌いしていたり、人種差別に関するいかにもな偏見があったり。我々にも感情移入しやすい、ごく普通の庶民の一面を持ちながら、一旦仕事に入ると、偏見も先入観も乗り越えて真実に迫ってゆく。現実に、これほど柔軟かつ強靭な人は、居そうで居ない。

サイドストーリーである彼と妻エレノアとの夫婦関係も一筋縄ではいきません。
エレノアは精神的な問題を抱えていて、一見、強いボッシュが弱い彼女を保護しているかのようですが、実は強面なボッシュの負の部分を引き受けているのがエレノア。結婚に寄りかかっているのはボッシュのほうで、彼女はボッシュを支えきれなくなって、逃げ出そうとしている。ボッシュはほんとうは、事件どころではないくらい焦っているのですが…。

事件は解決したけれど、二人の関係は遂に破綻? この先の展開はいかに。
探偵のプライベートな物語でつなげていくところは、R.パーカーのスペンサーものと似ていますが、スペンサーの最近作のような、単なるキャラものになってしまわないといいのになと思いつつ、シリーズ追っかけてみます。

読んだ本TB:0CM:0

さあ召し上がれ!

2007/05/07(月) 18:46:42

ディナーラッシュ ~スペシャル・エディション~
ディナーラッシュ(cinema)
監督 ボブ・ジラルディ
ダニー・アイエロ、エドアルド・バレリーニ、
カーク・アセヴェド、ヴィヴィアン・ウー
2001年 アメリカ
posted with amazlet on 07.05.05


町一番のホットなイタリアンレストラン“ジジーノ”は、今夜も大繁盛。予約は一杯、順番待ちのお客が列をなして、若い料理長以下従業員はてんてこ舞い。店の売りは、グルメ雑誌で折り紙つきの創作料理に、アートな装飾、かわいいウエイトレス、博識なバーテンダーなどなどなど。昔なじみの常連さんに、今どきの若い子、スノッブなセレブやら、マスコミ、ビジネスマン、警官からギャングまで、客の顔ぶれも多彩だ。ご注文は何になさいますか?人の世のありとあらゆる欲望、善悪、過去未来、生死、愛憎、何なりとお客様のお望みのままに!
冒頭の殺人を前菜またはアペリティフとして始まる、「一夜の出来事」をてんこもりにしたフルコース。強烈なメインディッシュにOH! デザートには、甘い甘い恋人たちのバカンスをどうぞ…。


とても洒落た映画です。料理がおいしそう。細切れに忙しく進むようでいて、意外に滋味のあるドラマが展開していきます。細部まで楽しく味わえる作品。俳優の演技もすばらしい。サスペンス、ユーモア、ロマンス、すべての要素が詰まって、最後にあっと驚くオチまで用意されています。
DVDはレシピも付いてお得。

見た映画(DVD)TB:0CM:0

教養の復権

2007/05/06(日) 15:43:29


なぜこれほど勉強しない子供が増えたのか、その原因については、こちらの本のほうがはるかに示唆に富んでいます。

著者によれば、地方対都市、日本対西洋の文化的格差の解消にともなって、「憧れ」という教養主義の光背が消滅する。一方で、高学歴層の増加(大学の大衆化)により、学士サマ=末は博士か大臣か、という図式が崩れ、大学出たって所詮リーマン止まり、ヤッテランネーヤ、という空気が蔓延する。この憤懣が、大学紛争につながり、特権階級(教授)へのルサンチマンが爆発するが、紛争鎮静化ののちは、そんなものに無駄なエネルギーを費やすこともやめて、大学は単なる就職前のモラトリアムの場と化す。大学進学者は飛躍的に増えたというのに、教養へのモチベーションが上がるどころか、「そんなこと考えて何になるの?」という冷笑的なムードと共に、思索や思想を伴わない「一般教養」を「教わる」ことが、大学で学ぶ目的だと考える者が大多数を占めるようになった。
高い学識を持つと同時に、思索を極めた者にのみ許される「教養人」の権威など、誰も見向きもしない。で、著者はそこまでは触れていないのですが、結局、形骸化した「キョウヨウ」すら失墜し、一部の層で、教育そのものへの意欲が急速に減退しているのが現状ではないかと思われます。

輝ける教養主義の時代、それを担った出版文化、戦後の大衆主義など、それぞれに興味深い数字やテキスト、エピソードを紹介しつつ、時にユーモラスに、時に深く慨嘆しながら、読みやすい文体で解説しています。「教養」というものを知るための“キョウヨウ”書としても優れた著作です。

読んだ本TB:0CM:0

勉強ぎらい

2007/05/05(土) 17:58:15



最初のほうを拾い読みするとすごく面白そうなので、こりゃいいやと思って買ってくると、読み進むほどにハテナマークが増えてくる。この著者の本は、前に読んだのもそうでした。またやられちゃったわいとガックリきているところです。
「そんなの知りません」「わかりませーん」と堂々主張する学生を前に、おろおろする内田先生、という図は楽しいのに。

「なぜこれを学ぶのか」というのは、学問における本質的な問いです。そう問われて驚く教師のほうにむしろビックリです。役に立つかどうかもわからないようなものに、若い日の貴重な時間を費やす意味などあるのかと考えるのは、かえって健全な発想だと思います。
二号の法学の教科書にだって、「法学を学ぶ意義」について、特に一章をさいて延々と書いてあります。「法律」なら、知っていればいろいろと役に立つような気がしますが、「法学」って何? それこそ「何のためにあって、何のために勉強するんだろう」とは、私でも思いますので、ほほうと思って開いてみますと、法学を学べば、こんなことがある、あんなことがある(ちゃんと役に立つのですヨ)と並べたあとで、「そうは言っても、だから何なんだと思う人もいるだろうし、また、国民が揃って法学ばかり勉強したら、それはそれで困ったことである」(ま、そりゃそうだわな)などと梯子をはずすようなことまで付け加えてあって、とても良心的。

「すべての人間は勉強しなくてはならない」「すべての人間は働かなくてはならない」、あたかもアプリオリな原理原則のように言われていることも、実はこの国の近代化の流れの中で出てきた、比較的新しい考え方だということが、「日本という国」の中にも書かれています。
小→中→高→大と、ほぼ一本化した教育課程に有無を言わさず全員を乗っけて、学校教育修了と同時に就職させる。日本の、特に戦後の急速な復興のために、きわめて効率的に働いたシステムが、社会の変化によって、機能不全に陥っているのではないでしょうか。
福沢諭吉なら、現代の子供が「学びから逃走」するからといって、驚いたりはしなかっただろうと思います。「おミエーさん、そいつアあたりめえじゃあネエのかい?」だって、もともとサルなんだもん!

正直「失踪日記」なんかを見ても分かるとおり、ホームレスだってなかなか餓死・凍死までいかない豊かな国に住んで、働くにしたってPOSだの電卓だのあれば、計算なんか出来なくてもなんとかなるし、漢字はワープロが変換してくれる。金持ちになりたいとか出世したいとか思わなければ、物知らなくても新聞読めなくても大して困りません。勉強に向かう/勤勉に働かなくてはならない動機がないのです。困るのは、彼らを雇用する人たちだけ。勝手に困れば?俺ら知らねえし。
内発的な学びへの欲求(笑)、そんなもんがあるのは、内田先生や先生のお友達のように、もともと賢く生まれついた勤勉な人だけです。どんなに上手に教えても、「ふーん、面白いねー」で、大抵の生徒はおしまいです。サルは「もっと知りたい」なんて思わないのよ。

ゲームのルールやケータイのスキルみたいに、直で役立つことでない限り、「学びへの欲求」なんて起こりません。もういっそ、学校は適当でいいから、国も企業も職場での再教育に力を注いだほうが現実的なんじゃないでしょうか。「学び」は、何も学校でするものとは限りません。抽象的な学校道徳?よりも、これを覚えたら職長になれるとか、昇給するとか、分かりやすいご褒美がぶらさがっていたほうが、うまくいくと思う。高校や大学でわけわかんない授業をダラダラ聞いて、名目だけの学歴を得るより、中卒で、とりあえず何でもいいから仕事をさがして、職場研修をまじめに受けるほうが、本人にとってもトクだし、企業の側も優秀な社員が増えるというようなことになれば、全体のレベルが少しは上がるかも。まあ、学校って何よ?って話にはなっちゃうけれども。

教育再生会議でじーさんの小言みたいなことを並べ立てても、どうなるもんじゃないだろうと思います。うざ…いや、特に間違ってるとも思わないので、言いたければ言ったっていいですが。
とにかく、育つかどうかもわからない「内発的な動機」なんかに期待しないで、「勉強はお得」という、それこそ「学問のすゝめ」的な概念で、生徒を洗脳すること。塾がさんざんやってるみたいに、勉強できるとカッコイイ(ああ嫌だな…)と思い込ませるだけでも、授業中ほっつき歩くことは減るでしょうね。
とはいえ、それはそれで、別の問題が起こりそうな気もします。困りましたね。

読んだ本TB:0CM:0

ハーレクイン・クライム・ストーリー

2007/05/03(木) 22:23:09

OUT 上  講談社文庫 き 32-3
OUT 上 下 (book)
posted with amazlet on 07.03.30
桐野 夏生
講談社(講談社文庫) (2002/06)


弁当工場で夜勤パートをしている、力も地位も金もない最下層の中年主婦たちが、犯罪行為にかかわり、裏社会の男たちからも一目置かれるというサクセス・ストーリー(笑)。

ダンナをワインボトルで殴り殺して切り刻んだ彼女も、この本あたりが参考書だったのでしょうかね。犯罪もフェミニズムですか。そんなに男と同じことがしたいかなあ。
相手方の男は、ヤクザも変態も全員イケメンという、ありえないご都合主義。レディースコミックの世界です。私にはついていけませんでした。

読んだ本TB:0CM:0

踊る山海塾

2007/05/01(火) 23:54:09

サイレントヒル
サイレントヒル(cinema)
監督 クリストフ・ガンズ
ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、
ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー
2006年 アメリカ/日本/カナダ/フランス
posted with amazlet on 07.04.29

幼い娘シャロンが繰り返しうなされる悪夢。夢に出てくる町「サイレントヒル」が実在することを知った母のローズは、夫の反対を押し切って、娘を車に乗せ、遠路はるばるその町を訪ねる。しかし、彼らがたどりついたところは、封鎖されたゴーストタウン。何年も前の火災で町は全滅したという。
なぜシャロンは、自分が生まれる前に焼失した町を知っているのだろうか。また、何となくいわくありげな地元警察の態度にも不審を感じたローズは、封鎖を突破し、娘と共に強引に町に侵入しようとするが…。


おなじみゲームネタのホラーです。コナミの日本はともかく、いろんな国が相乗りしているのは、監督さんとロケ地の問題でしょうか。
映像がきれいで、思いのほかいい雰囲気です。人気の無い廃墟に灰が降り積もる「静」の時間と、工場よろしくサイレンと共にお化けが一斉スタートする、ギンギラの「動」の時間の対比が面白く、クリーチャーの動きが何かにそっくりな生々しさで、CG一辺倒のゲームとは一線を画したムードです。
クライマックスのスペクタクルも迫力満点。オチまできちんと作ってあって、これはこれでちゃんと映画になっています。
いちばん可哀想なのは、お父さん…。

見た映画(DVD)TB:0CM:0
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