常世国往還記

本と映画のノート



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かもめ

Author:かもめ
読書と映画の鑑賞記録。
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下足番

2007/03/30(金) 23:35:41

 
鴎外と茂吉(book)
posted with amazlet on 07.03.29
加賀 乙彦
潮出版社 (1997/07)

森鴎外、斉藤茂吉をはじめ、木下杢太郎、水原秋桜子ら、医師と文学者という二つの顔を持った人々についてのショートエッセイ集。

医学者としては不遇で、その懊悩を文学へ向けた鴎外、二つの世界に同時に身をおくことで精神のバランスを取った茂吉、最終的に文学を捨て医学を選んだ杢太郎とその逆を行った秋桜子、貧乏医学生の生活費稼ぎの売文が、思いがけない果実をもたらしたチェホフなど、同じ二足の草鞋も履き方はさまざまですが、いずれも、まったく方向性の異なる世界が、"人間"を中心につながって、作品に独特の個性と奥行きを与えているのは面白いことです。
医者の世界を知る著者の目の付け所、読み解き方も、素人とは一味違って楽しい。デュアメル読んでみたくなりました。
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読んだ本TB:0CM:0

アパートの白雪姫

2007/03/30(金) 00:04:01

レディ・イン・ザ・ウォーター 特別版
レディ・イン・ザ・ウォーター(cinema)
監督 M.ナイト・シャマラン
ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード
(2006年 / アメリカ )
posted with amazlet on 07.03.27


アパートの管理人クリーブランドは、誠実で働き者だが、吃音のために人付き合いが苦手。来る日も来る日も、住民のために雑用を黙々とこなしながら、孤独な生活を送っていた。
ある夜、彼は住民用プールに入り込んだ曲者を捕らえようとして溺れかけ、逆に相手に助けられてしまう。プールを荒らすいたずら者の正体は、なんと全裸の美少女だった。おどろき戸惑うクリーブランドに、彼女は自分は水の妖精ナーフで、ある使命を果たすためにこの世界にやってきたのだと話す。
不思議なことに、彼女の話は東洋の言い伝えの通りだった。親切な彼は、半信半疑ながら、頼りなげな彼女の様子に同情して、一肌脱ぐことにしたのだが。

いまだに"シックス・センスの"と言われてしまうところがちょっと哀しい、シャマラン監督によるファンタジー。
ストーリーと名乗るナーフの少女が、その名の通り、この作品の「物語」。そこに個性的なアパート住民が、それぞれに運命付けられた役割をもってかかわることで、最後に大団円をむかえます。
人にはそれぞれ果たすべき役目がある。それは必ずしも見た目どおりではないかもしれないし、本人も気づいていないかもしれない。しかし、各自が「正しく」おのおのの役目を見出し、協力し合えば、不完全で非力な人間も、大きな仕事を達成し、皆が幸福になれるという、大変ハッピーなメッセージのおとぎ話です。

シャマラン監督にしては、ずいぶんとまた起承転結のはっきりした素直な「ストーリー」。でもその素直さもネタのひとつなのかな。この監督のことだもの、もっと何か仕掛けがあるんじゃないのかと、つい画面の隅々に目を凝らしてしまいますね。何かホラーっぽい感じのジャケットにも騙されたような。

見た映画(DVD)TB:0CM:0

日陰の男

2007/03/23(金) 16:30:45

山本勘助
山本勘助(book)
posted with amazlet on 07.03.15
平山 優
講談社 (2006/12/19)

風林火山、毎週熱心に鑑賞しております。勘助さん、カッコいいですね…って、あれ?本来二枚目役じゃなかったよね。まあいいや、内野くんなら何でも。
最近ようやく若殿様のご尊顔にも慣れました。ナンノの湖衣姫も納得いかなかったけど、今回のヒロインもいまいちですね…。まあいいや、内野くんが出てれば何でも。

というわけで、歴史のおさらいです。といっても、山本勘助なんて、実在したかどうかさえ定かでない小者ですから、この本が取り上げているのは、史実そのものではなく、勘助キャラ確立の大元となった「甲陽軍鑑」における勘助像です。
勘助を信玄の片腕にも匹敵する大軍帥と持ち上げている後世の軍記物語とは違って、甲陽軍鑑での勘助は、身分的には一兵卒に過ぎません。ところが、にもかかわらず、武田家の軍事の中心人物であり、白兵戦での武術から、大軍を率いての操兵術、あらゆる戦法・戦略、果ては城造りに至るまで、およそ戦に関する知識をすべて網羅した、博学多才の驚くべき知恵者として描かれているという大矛盾。
この矛盾ゆえに、近代になって、勘助の存在自体が虚構だという説が主流になったのですが、近年、実在の証拠と考えられる資料が発見されたりもして、実のところ、未だによくわからない。わからないので、それはひとまずおいて、本書は、甲陽軍鑑における、彼の軍事研究をまとめて紹介したものです。

簡略ながら、「歴史読本」の愛読者的な素人歴史ファン、ないしは軍事オタクに楽しいウンチクが満載。私は特に図解を交えての「城取り(築城法)」の章が面白かったです。

しかし、それにしてもうさんくさい。
ただの足軽が、どうして大局的な戦術論を語れたり、築城術を分析できたりするのか。諸国を漫遊して、知識が豊富というだけならまだしも、甲陽軍鑑によれば、その(当時としては)膨大な情報を、勘助個人が体系化したことになっています。

ドラマの勘助を見ていても、腕っ節が強くてちょっと気の利いたアイデアマンという程度で、のちの知恵袋としての勘助像には、どうしても結びつかないんです。かっこいいから許すけど。
だいたい、腕っ節の強い、という点だけとってみても、足が悪くて隻眼、というだけで、兵法者としては大変なハンデですよね。果たして、あんな体でそんなに強かったんでしょうか。

    ・・・・・・・

さて、ここからは妄想です。
ドラマの中で、あっちの国をウロウロ、こっちの国をフラフラしては、いろんな大将に接触し、「お役に立ちますよ」ってなことを言って歩いている勘助を見て、フト思ったのですが、この人のやってる本当の仕事って、実は諜報活動だったんじゃないだろうか。というか、実は諜報組織の領袖か何かで、彼のやってる猟官活動は、彼個人ではなく、彼の背後にある集団が、どの国につくかという話じゃなかったかと思うのです。

だって、変でしょ。兵力として雇用するなら、あの体を見てまず食指がうごくはずがありません。軍略に関してだって、今の会社組織で考えても、新入りにいきなり大事な仕事の話なんてするかしら。どこの馬の骨とも知れない一介の浪人を相手に、殿様が直接あれこれ相談するなんて不自然です。
しかし、「勘助」を、個人としてではなく、恐らくは主に諜報活動を専門とする技能集団の代表とすれば、彼が殿様に接触したり、軍事上のアドバイスをしたりするのも納得できます。彼の武力が彼個人のものでなく、彼の集団の持つものと考えれば、領袖たる彼が障害者であっても不自然ではありませんし、大量の情報や、緻密な分析も、その集団の財産としたら、驚くほどのことではありません。

もしかすると、今川の騒動は、勘助一味が実行犯だったのかも。そして、そのことを知った義元が、いくら自らが権力の座につくためとはいえ、身内の殺害に直接手を下した勘助(とその集団)に不快を感じ、遠ざけたというのが、あの不採用の場面の真相だったかもしれないですね…なんて。

あちこちを渡り歩いたあげく、勘助軍団は最終的に武田につくことになる。そして、彼の率いる集団が持っている情報とノウハウが、すべて武田のものになる。
信玄の偉さは、本来なら陰の存在である勘助の功労を認め、小者とはいえ、一応の身分を与えて「表」に出し、彼の集団を公式に配下に従えたこと、そして、おそらく、家持ち・土地持ちの一般の士分と違って、何かと軽んじられがちな彼らが蓄積する情報やアイデアを、正式に採用したことではなかったでしょうか。

勘助個人は合戦中に命を落とす。しかし、その後も彼の配下の者たちは、武田にとどまり、諜報活動に従事する。やがてその中の一人が、自分たちの記録としての「軍鑑」を編むにあたり、武田に所属するきっかけを作った「勘助」を主要人物に模した…と考えれば、甲陽軍鑑の矛盾も矛盾ではなくなります。

勘助さんが手下を率いて、「真田十勇士」みたいに大活躍とか、いいかも!…って、やっぱり妄想だなこりゃ。
なんて思ってたら、既に同じこと考えてた方があるんだな。
荒唐無稽な想像でもないかもしれないですよ。

  山本勘助はいなかった―「風林火山」の真実(book)
    山本七平 ビジネス社 (2006/11)


読んだ本TB:0CM:0

若者を見下す小父さんたち

2007/03/16(金) 17:14:50

他人を見下す若者たち
速水 敏彦
講談社 (2006/02)

「マッタク、近頃の若いモンは!」というオジサンの例の愚痴です。
なんでこれがベストセラーになったんでしょう。若い人に売れたって、本当でしょうか。
一見まじめな研究っぽいですが、後半議論が堂々巡りになっているような気がするのは、私だけでしょうか?

本書のテーマである「仮想的有能感」の定義自体よくわからないというか、そもそもこれが、わざわざ定義づける必要のある「新しい概念」なのかどうか、はたまたこのような新語が必要なほど独自性のある論述なのかどうかも疑問です。
「仮想的有能感」とやらが、年齢ではなく「世代の」特徴だと言い切る理由もよくわかりません。

若者が昔よりキレやすくなっているのか、態度のでかい生意気な若造が本当に増えているのか、この本の内容だけではなんとも言えません。
私の記憶では、今よりも私の少女時代のほうが、男子はケンカっぱやかったし、若者は反抗的でした。学生運動なんて、子供がびびるくらい暴力的でしたよ。今の子はむしろ大人しくて素直。良い子すぎるくらいの印象なんですが。
陰で(ネットで)虚勢を張るくらい、大目に見てやったっていいじゃないですか。いずれ社会に出て、何度もたたかれれば、現実を悟ることになるんですから。

強いて言えば、タイトルがキャッチーです。編集に知恵者がいるんでしょう。でも、本の取り得がパッケージだけではしようがないですね。

読んだ本TB:0CM:0

さまよえる魂

2007/03/15(木) 17:15:32

安徳天皇漂海記
安徳天皇漂海記(book)
posted with amazlet on 07.03.14
宇月原 晴明
中央公論新社 (2006/02)


吾妻鏡などの史料をもとに、奇怪な霊体となって中世鎌倉期をさまよう安徳天皇が引き起こすさまざまの怪異と、その漂泊の顛末を描く伝奇小説。

白眉は、鎌倉三代将軍実朝とのかかわりを中心とした第一部。
巧みに史実とからめたエピソード、金塊和歌集の引き方もみごとで、伝奇小説の面目躍如。実朝の非業の死から後日談に至るまで、小姓の若者の視点から一息に読ませます。第一部のみで終わっても充分なほどの読み応えです。

舞台を中国に移す第二部は、風呂敷の広げすぎか、やや失速。文章も散漫です。殊に、肝心のクライマックスで、視覚的な造形に頼りすぎて、物語の面白さが後退してしまうのは勿体無い。今どきの理屈っぽいアニメか、ライトノベルの安い臭いがしますが、それでも、全体にはまずまずよく出来たお話だと思います。

読んだ本TB:0CM:0

ひとり勝手の戦争

2007/03/06(火) 17:49:02

青の炎
青の炎(book)
posted with amazlet on 07.03.06
貴志 祐介
角川書店 (2002/10)

湘南・鵠沼の豪邸(想像)で暮らす高校生 櫛森秀一の平和な生活は、母のヒモ同然の曾根という薄汚い中年男に蹂躙されていた。かつて母の再婚相手だった曾根は、素行が悪いうえに秀一を虐待したため、一度は祖父によって追い出されたが、祖父母亡き後、またぞろ櫛森家に入り込み、母のお人よしにつけこんで主人面をしているのだ。
曾根のいやらしい目つきが、母のみならず、年頃になってきた妹の遥香に向けられるにおよんで、秀一の憎しみは頂点に達した。彼は、ひそかに温めてきた計画を実行に移すべく、入念な準備を開始する。


主人公に感情移入できないのが最大の難点。
トラウマ含みらしいし、それでなくても高校生なら、多少は無理もないんですが、それにしたって「お前、何様?!」と言いたくなるくらい尊大で自己中で、可愛げがありません。だから、後でいろいろと困ったことになっても、「ざまを見ろ」という気分になってしまうのが、サスペンスとしては痛いです。
これがハイスミスだと、もっと変な人・嫌な人が主人公でも、ハラハラしてしまうのは何故でしょう。作者がより客観的で、主人公におかしな入れ込み方をしていないからなのかも。


それより、同じ年頃の子を持つ親として考えてしまったのは、秀一くんのように、親や祖父母に頼れない場合、うちの子だったらどこへ相談を持ち込むだろうか、ということです。

まず伯父・叔父だろうな。少なくとも、確実に一時的な保護は得られます。
それがなければ、2号は高校の先生のところへ行きそう。もしくは塾の先生かな。3号は主治医の先生、友達の親、床屋のおじちゃんとか。
近所なら、向こう三軒両隣、昔からのおつきあいだし、皆さん親切だから、大概どこでもOKです。
あ、こうしてみると、けっこう頼れそうな大人がいるもんですね。

それに比べると、秀一くんは、本人も家庭も、全くの孤独です。
祖父の代から住んでいる家なのに、近所づきあいは無いんだろうか、頼る親戚や知人はいないんだろうか。ずっと地元暮らしで、地元の公立に通ってるのに、友達が少ない。少ない友達とも、横のつながりしかない。高校の先生は、単なる点景人物だし。
本人がやな奴だから無理もないけど、こういう子は危ういでしょうね、いろんな意味で。

核家族で、少子化で、親戚少なくて、ばらばらに住んでいて。さらに、シングルマザー・シングルファーザーも珍しくなくなった今日この頃、いざという時のための、子供の駆け込み先を、日頃からこころがけておいたほうがよさそうです。

読んだ本TB:1CM:0

SFを笑おう

2007/03/01(木) 16:26:21

グラックの卵
グラックの卵(book)
posted with amazlet on 07.03.01
ハーヴェイ・ジェイコブズ他 浅倉 久志訳
国書刊行会 (2006/09)

ユーモアSFの短編集。

見よ、かの巨鳥を(ネルスン・ボンド):レトロな味わい。SFというより神話の雰囲気で、短編ながら壮大。
ギャラハー・プラス(ヘンリー・カットナー):二日酔の朝。燃料(酒)を満タンにしないと動かない天才ギャラハーと、中二病のC3-POみたいなハウスキーパーロボットとのとんちんかんなやりとりが可笑しい。別の話に出てくる湖のそばに引っ越せば、すごい仕事ができるかも。
スーパーマンはつらい(シオドア・コグスウェル):いやだから、もっと使い道を考えようよ。
モーニエル・マサウェイの発見(ウィリアム・テン):一種の自分探し、かな?
ガムドロップ・キング(ウィル・スタントン):スピルバーグ好みの子供のファンタジー。ちょっと皮肉も利かせて。また来て四角でパート2に続きそう。
ただいま追跡中(ロン・グーラート):スラップスティック・コメディ。
マスタースンと社員たち(ジョン・スラデック):独特のムードをもつ文明批評。プログラムの機械的な動きをただ追い続けているような、奇妙な小説です。
バーボン湖(ジョン・ノヴォトニイ):超ハッピーなバカンスのお話。読むマンガ。好きですコレ。
グラックの卵(ハーヴェイ・ジェイコブズ):ちょっとくどいけど我慢。オチが最高です。

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