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常世国往還記

本と映画のノート



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Author:かもめ
読書と映画の鑑賞記録。
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夢のあとさき

2006/04/20(木) 16:47:07

ゴッドファーザーからシチリアつながりで、ついでに。
これ、DVDが出たんだ。欲しいなー。

タヴィアーニ兄弟傑作選 DVD-BOX

紀伊國屋書店 (2004/11/20)

タヴィアーニ兄弟監督作品のうち、代表的な三本「カオス・シチリア物語」「パードレ・パドレーネ」「サン・ロレンツォの夜」のセット。いずれも名作。内容から見ればお買い得ですが、総額だとけっこうなお値段ですね。
カール・ドライヤー選集みたいにバラで売ってくれないかなあ。

「カオス・シチリア」は、ルイジ・ピランデッロ(ピランデルロ)の短編集「一年の物語」の中の、シチリアもの数編を映像化したオムニバス作品。
虐げられたカラスの呪いが降りかかったかのように、過去に取り残されてしまった貧しい土地にまつわるひなびた伝説と幻想。

希望の少ない村を出て、富と夢を求めて新世界に渡った移民たちの互助組織が、マフィアの原型だったのでしょう。移民一世のビトー・コルレオーネの夢は、自身のファミリーだけでなく、故郷の同胞も共に繁栄することでした。
二世のマイケルはシチリア生まれではないけれど、最晩年にシチリアに戻り、希望に満ちた幸福な時代の回想にふけるのは、(あまりに悲惨ななりゆきとはいえ)「カオス・シチリア」の最終話、「母との対話」と一脈通じるところがあるように思います。

ピランデッロは小説家としてより戯曲家として知られる作家ですが、翻訳本は、まあ例によってどれもこれも絶版です。文学史には頻繁に出てくる名前なのに、なんとしたことだろうか。それほど昔の人ではないので、図書館には置いてあるでしょう。
「一年の物語」は、いまだに全訳されたことはいないようです。全集ものなどに数編ずつ採録されてはいますが、いちばんまとまっているのが、このあたりでしょうか。
アマゾンならお取り寄せができるみたいです。

旅路―ピランデルロ短編集 内山 寛訳 ハヤカワ文庫 1976年

たいへん上手い作家です。カルヴィーノほど難しいことを言わないのもいいところ。


 


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死ぬことと見つけたり

2006/04/20(木) 12:35:36

梟首の島 上

坂東 真砂子著
講談社 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。


19世紀後半のロンドンで、土佐出身の日本人留学生が割腹自殺。前夜に彼と面会していた日本人も、まもなく他殺体で発見され、二つの事件の関連を疑うロンドン警視庁が動き出した。
同じ頃、維新の混乱いまださめやらぬ日本では、自由民権運動が激化。国内統一を焦る明治新政府の厳しい弾圧にあって、思想と表現の自由を求める政治運動は、次第に危険な方向へ追いやられていく。時代に翻弄される人々の中には、多くの土佐人の顔ぶれもあった。
近代国家として出発したばかりの日本と、繁栄の都ロンドン、地球を半周分隔てた対照的な二つの土地で起きた、一見無関係の出来事に、いったいどのようなつながりがあるのだろうか。

…と書くと、いかにも面白そうでしょう。
ところがどっこい。
何がいけないって、まず、登場人物に魅力がない。ステレオタイプで、生きた人間という気がしません。キャラ設定が透けて見えるような感じ。どこかで聞いたようなセリフ多し。

背景にも疑問がありすぎ。
岩神家は息子が家督相続しない件(当時考えられん。土佐では普通なのか?)。
長子の家出(跡取りが、いい年こいてしょぼい理由で。いくらなんでも無責任。この場合、出て行くのは母親のほうでは)。 
家長が死んだってのに、岩神家は暮らし向きが妙に楽であること(息子が二人ともぶらぶらしていられるって、どんな財産家? 店も暇そう)、などなど。  

何かというとすぐ下半身の、それもえらく直截的な話になるのも品がないし(棹、棹とうっとうしい。これって土佐標準なのか?)、兄貴のほうはてっきりホモかと思いました。“性”にこだわりすぎて、なんかかえって不健康な感じです。

それでも多少面白かったのは、民権運動を、尊皇攘夷運動の熾火の再燃と見るあたり。民衆運動じゃなくて、士族の反乱の延長線上なんですね。だから、行き着く先が“いくさ=テロ”になっちゃう。

維新直後に続々と送り込まれた留学生たち(けっこうな人数が向こうに渡っていたのですね)の後日談も、史実として興味ぶかい。尋常に帰国して名を上げたのはほんの一握りで、大半は挫折し、欧州浪人になったり、この話のように死んじゃったりしている。
これだけ情報の豊富な現代ですら、海外に出るとカルチャーショックがあるというのに、本物の西洋人を見る機会さえほとんどない土地から、いきなりロンドンに放り込まれて、正気でいろというほうが無理かもしれません。考えてみると、ずいぶん無茶なことをしたものです。
この小説で読む限り、あまり日常的に武士らしいとは言えない人が「恥辱」などとは、いい気なもんだと思うけど、このような感覚は、きっと実際にあったのでしょう。


 
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