常世国往還記

本と映画のノート



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読書と映画の鑑賞記録。
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も一度 Edvin Marton

2006/03/28(火) 00:18:37

Strings 'N' Beats

Strings 'N' Beats
posted with amazlet on 06.03.25
Edvin Marton
Bmg Germany (2003/05/05)


もうず~~っと以前に注文したedvin marton のCD。
途中でamazonから「まだ時間かかりそうですがキャンセルします?」と、洋書注文ではおなじみのメールが来ましたが、どうも他では扱いがないようなので根性で待っていた、というか放置していたところ、先日ようやっと届きました。

これは、ジュリアード音楽院在学中にはまったというクラブ系音楽のアルバム。オリジナル曲もあれば、クラシックや民謡からのアレンジもあります。いずれも品のいいイージーリスニングで、じっくり聴きこむ音楽ではないけれど、お店のBGMなど、いろいろ用途はありそうですね。

清潔な抒情のあるバイオリンです。私はこういう抑制の効いたのが好みですが(なにしろ永遠のハイフェッツファンなので)、こてこてにエモーショナルなのが好きな人には物足りないかも。
この人のスタンダードなクラシックも聴いてみたいですが、残念ながら日本では売っている店がないようです。

king of the forest: シューベルトの「魔王」のアレンジ。前奏部分の使い方が面白い。
miss you: オリジナル曲。これ、聴き覚えあります。何かTV番組のテーマ曲だったと思う。哀切な旋律。いい曲です。お勧め。
bitter sweet symphony: ローリングストーンズ。
magic stradivarius: 愛器はストラディバリ。ほんとにいろんな音の出る面白い楽器ですね。
fire dance: チャルダッシュ変奏。ちょうど最近天満敦子さんのチャルダッシュをCDで聴いたところだったのですが、比べると方向性の違いがよくわかります。天満さんのはよく言えば繊細、悪く言えばやや線の細い音。こちらはその逆かな。良くも悪くも男の子っぽい。もちろんアレンジ曲なので、曲想など比較のしようもないわけですが。
gloomy sunday: ダミアの怖いシャンソン“sombre dimanche”のクラブ風アレンジ。フランスの曲とばかり思っていたら、もともとはハンガリーの作曲家が作ったものだったのですね。
first date: 初恋をうたった可憐で優しい曲。
panis angelicus: フランクの教会音楽。バイオリンソナタしか知らんかった…。ボーイソプラノ付き。
sarabande: こちらはヘンデルです。
art on ice: フィギュア・スケートのプルシェンコ選手が使っていた、華やかな曲。


音楽とは全く関係ありませんが、この人わりとお洒落ですね。
まあ、ハンサムかどうかは好きずきだと思うけど、写真もなかなか楽しいです。
公式HPはこちら。
  http://www.edvinmarton.com/index.php

 





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偏愛音楽館TB:0CM:2

ブラックジョークを一席

2006/03/23(木) 14:41:57

クライム・マシン

ジャック・リッチー著 / 好野 理恵〔ほか〕訳
晶文社 (2005.9)
通常24時間以内に発送します。


全編落とし噺の短編集。
簡潔な文章、といっても、含蓄や思想的なものは全くありません。内容も簡潔。本当に書いてあることだけです。
重厚長大が好きな方にはお勧めできませんが、軽い肩の凝らない読み物として、旅のお供などにピッタリ。
「このミステリがすごい!」の海外部門1位だそうで、いわゆるミステリではないし、「すごい!」かどうかもよくわからないけど、誰でも手に取りやすそうな本ではあります。

「カーデュラ探偵社」シリーズがけっこう好きかな。
神出鬼没・怪力無双の伊達男、でも投資に失敗して金欠の主人公のキャラクターが面白い。
“Cardula”は、例の青ひげ公の綴り替え。ひげは無いんですけどね。有名なヘルシング(作中イェルシング)先生も登場します。
タバコ入れは何に使うのかと思ったら、そういうことでしたか。

 
読んだ本TB:0CM:3

飛ばないping

2006/03/23(木) 13:49:49

ここ一週間くらい、ところによってpingが全く飛んでないみたいです。
やりかたを変えてみますので、だぶっちゃったらゴメンナサイ。
なみま雑記TB:0CM:0

いじめの構造

2006/03/23(木) 12:56:42

女王の教室」スペシャル版を録画で鑑賞。
昨年、賛否両論とりまぜて、大評判になったTVドラマです。
黒装束のマヤ先生と、いかにも子供視点の、大げさでホラーっぽい演出が好きだったので、今回の「昔は普通だったマヤ先生」はあまり面白くありませんでした。
美人ででかくて隙なし。無表情、何があっても氷のように冷たい鬼教師マヤこそ、天海祐希の当たり役。

パート2のイジメの話は、これ↓と似てる。

われらの歪んだ英雄
われらの歪んだ英雄(cinema)
監督 パク・ジョンウォン
コ・ジョンイル ホン ギョンイン チェ・ミンシク
1992年 韓国


韓国に比べると、日本のいじめっ子は小粒ですねえ(笑)。

ただし、この映画は、イジメそのものがテーマではなく、小学生の事件に託して、権力者とそれに靡く一般大衆の関係を描いた寓話。暗に当時の韓国の政治的混乱(原作となった小説は1987年発表)を反映しているとのこと。
権力に寄生してさんざん甘い汁を吸ったくせに、より優勢な別の権力者が現れたとたん、さっさと口をぬぐって旧権力を糾弾する側に回る、「善男善女」たちの日和見的な態度を批判したものです。

寓話だからなのか、ここではいじめっ子の救済はありません。追従した生徒たちは何事もなかったかのように普通の大人になりますが、ボスは学校を追われ、そのまま市民社会から閉め出されてしまいます。
人死にまで出しかけたのに理解者のある日本とはえらい違いです。

いじめ騒動は、果たしていじめっ子一人の問題なのか。歪んだ権力構造を支えた他の子供たちに責任はないのか。加害者と被害者を、画然と分けることはできるのだろうか。
ボスを裏切った主人公の苦い独白が印象的でした。


 

そのほか(ドラマetc.)TB:0CM:0

事件の総体

2006/03/21(火) 00:04:56

アンダーグラウンド

村上 春樹〔著〕
講談社 (1999.2)
通常2-3日以内に発送します。


お次は地下鉄サリン事件。11周年です。
つい昨日のことのように、記憶に鮮やかですが、もう一昔になるのですね。

12名死亡、無慮数千人が被害をこうむった、地下鉄サリン事件について、被害者やその家族など関係者六十余名の詳細なインタビューを中心に構成した、記録文学の傑作です。
実を言うと、私はこの作家の創作ものはかなり苦手でして、ただ今も「海辺のカフカ」挫折中ですが、この「アンダーグラウンド」一作だけをもってしても、村上春樹は日本を代表する作家の一人と認めてよいと思うほどです。

というわけで、後期日程の課題文が「アンダーグラウンド」の序文だったと聞いて、わが意を得たりというところです。だが、待てよ、そういえば序文て何が書いてあったんだっけ? 
そこで、数年ぶりに引っ張り出して確認しました。そうでしたそうでした。作中のインタビューは、すべて実名を付してあるのですが、その理由と意義、あるいはインタビュイーとの手続きについて、序文で詳しく解説してあったのです。
おそらく、個人情報の問題や、実名報道と人権の問題を問う意図での設問だったのでしょう。解答は小論文形式ですが、何をどう書くか、難しいですね。正解がないだけに、個々人の考え方が現れる良い問題だと思います。

早速2号くんが持ってってしまいました。とっついて読んでいるところです。
オウム事件は、阪神大震災と並んで、彼らが物心ついて最初に起きた大事件です。折に触れ繰り返される報道によって、記憶が補強されている面はありますが、築地駅の光景、路上に倒れている大勢の大人たち、のちのサティアンの捜索など、おそらくリアルタイムの情況を、断片的ながら覚えているようです。

一時代を画するような、影響力の大きい犯罪でした。10年が経ち、曲がりなりにも一丁前になりかかっている彼が、大量殺人、思想、宗教、狂信、洗脳、いろいろな切り口で取りざたされてきたこの事件を、どのように受け止め、どのように解釈するか、ここらで一度整理しておくのもいいかもしれません。

こういう、お土産(というか宿題)付きの受験て、なんか落ちても無駄にならなくて、お得感がありますよね(笑)。せっかくなので、この機会にいろいろ考えてもらいましょう。
まあ、あんまり妙な具合に好奇心を持たれても怖いのですが。オウムは、もはやジョークのように矮小化されているけど、そんなに簡単なものではないような気がするのです。


さて、受験生諸君、来年の小論文はこれかもしれないよ。

病魔という悪の物語

金森 修著
筑摩書房 2006.3


20世紀初頭、チフスの保菌者であることがわかったために、30年以上にわたって隔離され差別され、あげくのはてに「災厄」の代名詞のように扱われた一人の女性の物語を通して、人権や、個人と全体の利害の衝突など、さまざまな問題を考えたもの。
小学校高学年~中学生向けに、ルビを多用し平易に書いてありますが、内容は高尚です。

 
読んだ本TB:0CM:2

アメリカの善意

2006/03/20(月) 22:48:49

おとなしいアメリカ人

グレアム・グリーン著 / 田中 西二郎訳
早川書房 (2004.8)
通常2-3日以内に発送します。


イラク戦争三周年だとか。
混乱は一向に鎮まる気配も無く、事態はいよいよ収拾のつかない方向へと進みつつあるようです。
アメリカが国連の意向を無視してまでこの戦争に突入した理由は、他国が考えるような、9.11の報復(ちょっと相手がずれてるけど)、油田の利権問題など、利己的なものばかりでなく、あのラジー賞受賞大統領が繰り返し主張するように、「イラク国民のため」という気分が、少なくとも一般民衆にはあったに違いありません。そうでなければ、ここまで泥沼化することはなかった。遅くとも、フセイン拘束でアメリカの関与は終わっていたのではないかと思います。

日本の占領政策、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸…そこに経済や政治の力学が働いていることは間違いないにしても、あの大きな、多民族雑居国家で、一部の人間の利害得失から国民全体をまとめることは難しい。
彼らの余計なお世話の動機の一部には、為政者のお題目でなく、ほんとうに無邪気な「理想と善意」がひそんでいるような気がします。

このアメリカの独特な「個性」とその危険を、ベトナム戦争以前に指摘するとは、グリーンはまことに恐るべき目をもった作家です。


舞台は、欧米各国がひしめく大戦後のサイゴン。初老のイギリス人記者ファウラーの元へ、美しいベトナム娘のフォンが駆け込んでくる。愛人のアメリカ青年パイルが戻らないと言うのだ。やがて、フォンが恐れていたとおり、パイルの無残な遺体が発見された。
大人しくて感じの良い、若いパイルと過ごした日々を、ファウラーは追想する。
二人は、かつて良い友人同士だったこともあった。しかし、パイルがファウラーの愛人だったフォンに一目ぼれし、堂々と求愛するに及んで、彼らの関係は微妙なものに変わっていく。

若く、一本気で、「フォンを幸福にしてみせる」と宣言するパイル。しかし、彼の考える「幸福」は、アメリカ人にとっての幸福のかたち。果たしてそれは本当にフォンのためになるのだろうか。
一方、ファウラーはファウラーで、年の離れたフォンを甘やかしているように見えるが、実は何の責任もとらずに、おいしいところをつまみ食いしているだけ。
二人に挟まれたフォンは、混沌とした状況から脱出するために、冷静かつ功利的な判断をするのみ。彼女の心中には、パイルが期待するような甘い愛情や感謝など、みじんも存在しないのだが…。

欧米各国に簒奪され、混乱をきわめる美しいベトナム。その運命を、男女の三角関係に仮託して描いた小説です。グリーンにしては宗教色が薄い話ですが、それでも、宗教的な「善」の本質について考察したと見られなくもない。

発表当時は、「アメリカ批判だ」「いや、イギリス批判だ」と、日本でも論議がかまびすしかったようですが、今読むと、なんとなくどれも的外れですね。
文学は、現状分析のためにあるものではなく、現世的なものから離れて本質を見とおすものだということでしょう。
作者の意図が奈辺にあるかは知らず、現在読む「おとなしいアメリカ人」は、当時のアメリカ批判でもイギリス批判でもなく、直後に起きたベトナム戦争とその結果、ひいては、ベトナム後にも繰り返し起きている、アメリカ主導の紛争のなりゆきを、鋭く予見したものと評価できるのでは。

フォンの国ベトナムは、幸福の権利を自ら手に入れました。
アラブ諸国には、どのような結末が訪れるのだろうか。

 
読んだ本TB:0CM:0

ジェームズ・ハリス氏の・ちょっと厭な話

2006/03/19(日) 00:29:49

くじ

くじ(book)
posted with 簡単リンクくん at 2006. 3.18
シャーリイ・ジャクスン著 / 深町 真理子訳
早川書房 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。


シャーリイ・ジャクスンの短編集からの抜粋。
“ジェームズ・ハリス”は各編共通の作中人物。主役ではないが、一種のキイ・パーソンで、その存在によって、常に周囲の悪を浮かびあがらせる謎の男です。

神出鬼没の彼の正体とは? 
種明かしは最終章で。


ハリス氏と作者の暴き出す「悪」は、犯罪小説にあるような狂気でも暴力でもなく、嫉妬、不信、うぬぼれ、卑怯など、誰にもある心の醜さです。微に入り細をうがつリアリズムは、たいへん見事ですが、誰にでも起こりそうなありふれた出来事がテーマなだけに、身につまされて、非常に不快な小説です。

私は神様ではないので、登場人物たちの醜悪なさまを、不幸な人間の弱さと憐れむことはできないし、かといって、自分には縁がないかのように、冷笑するほど高慢でもない。したがって、ただひたすら、不愉快でした。

こんなことを逐一ほじくりだすなんて、作者は何といやな人だろう。どんなに才能豊かでも、こういう人とは絶対に友達になりたくないし、これ以上この人の作品も読みたくありません。
実のところ、これ一冊読み終えるのにも、ずいぶん時間がかかってしまいました。そして、厭な疲れだけが残りました。

訳者あとがきによれば、シャーリイ・ジャクスンは、本物の魔女だったようです。むべなるかな!
この作品集も、彼女の毒リンゴだったのかもしれません。

 
読んだ本TB:0CM:3

卒業シマシタ

2006/03/18(土) 17:55:52

TB企画「私、卒業します!」参加です。

卒業します、ではなく、つい先日卒業したんですね。
2号君が高校を。

大好きな大好きな学校で、毎日楽しくて楽しくて。
睡眠時間を除くと、一日の9割は学校に居たんじゃないかしらん。
長期休暇期間も含めて、まるまる三年間、家ではこいつが物食ってる姿と寝てる姿しか見ていないような気がする。食べながら寝てたこともある! 

今時こんなに学校が好きなんて、ほんとうに幸せね。
しかし、大学進学がスムーズにいかないのは、一部そのせいかと思われます。

どうせ進路も決まらないのだし、あと一年ぐらい高校に置いといてくれないかしら…って、そりゃ無理な相談ですか。


せっかく出かけた卒業式、息子とはただの一度も会いませんでした。校内にいたとは思うけど、「送る会」にも現れず、どこに居るのかわかりません。
ちなみに、「送る会」に出た卒業生は20名強/350名、残りは校内各所に潜伏していたものと思われますが、絶えず移動するため、居場所を特定することは不可能でした。

幼稚園、小学校、中学と、一応義理堅く卒業式に出席してきましたが、回を追うごとに、感動は薄れてゆきます。
前回中学の卒業時は、校舎を出たところをつかまえ、どうにかこうにか友達と記念写真を一枚、撮るや撮らずのうちに雲隠れ。
でも、思えば、写真が一枚残っただけ幸運だった。

本人の所在不明では、写真も撮れやしない。
しかたがないので、親同士で写真を撮り合って帰りました。

オバサンがずらっと並んで、いったい何の記念写真なのコレ? 
萎えた…

なみま雑記TB:0CM:0

恋しくば、たずねきてみよ

2006/03/17(金) 19:22:08

ガーネット傑作集 1

デイヴィッド・ガーネット著
河出書房新社 (2004.5)
通常2-3日以内に発送します。


奇想小説。深読みしようと思えば深読みもできるのでしょうが、全体に飄々として、あまり深刻な雰囲気ではありません。
普通、こういうネタなら、ヒネリの効いた短編どまりだと思うのですが、それを中編まで引っ張れるのはけっこう凄い。変わった作家です。

狐になった人妻
“人妻”って訳語がどうもこなれていない感じです。ちなみに原題は wife じゃなくて「Lady into Fox」なので、普通“奥様”とするところでしょうが、既に旧訳に“奥様”が使われてしまっているので、重ならないようにとの配慮でしょうか。ちなみに“夫人”とした訳本もあります。
うーむ、他に工夫の余地のない訳ってあるものですね。

お話は葛の葉狐(陰陽師・安倍晴明氏の母上)の逆バージョン。
新婚の恋女房が、狐狩りの最中に、突如キツネに変身。本人はもとより、夫君の困惑と嘆きは一通りではありません。けなげな夫は、変わり果てた妻の姿にもくじけず、世間を捨てても愛をつらぬこうとする。しかし、日を追うにつれ、妻は身も心もキツネ化し、人間暮らしを嫌うようになります。
どうにかして、彼女をこちら側につなぎとめておきたい夫と、キツネの体に順応する妻との駆け引き。結局彼はまるごと彼女を受け入れ、ある意味理想的な夫として、寛大に彼女を見守る…と言うと、一見、感動的な愛情物語のようですが、どうも、彼女のキツネ化の進行に伴って、夫の態度も、対等な人間の妻に対するようではなく、ペットを可愛がる、よりはマニアックかもしれないけれど、どちらかといえば普通の(いや普通ではないが)ムツゴロウ先生っぽくなっていくのが笑えます。

悲劇と見れば確かに悲劇ですが、妙な滑稽味があって、いわく言いがたい味わい。ラストもヘタレでして、ただのナンセンス・ギャグかなという気もする。

ところで、今まで考えたこともありませんでしたが、葛の葉狐は信田の森にキツネの夫が待っていたりはしなかったのでしょうか。気になってきました。


動物園に入った男
こちらは変身はしませんが、振られた女への当てつけに、動物園の展示物になった男の変な話。
最近リバイバルの「高慢と偏見」のパロディかな? 男も変だし、女のほうも相当なものです。
えらそうなことを言っている割に、黒人に対する態度はどんなもんかと。
男と女が、ああでもない、こうでもないと、馬鹿げた状況にあれこれ理屈をつけてみるところが可笑しい。

 
読んだ本TB:0CM:0

虚無・狂気・軽薄

2006/03/16(木) 23:24:33

血は冷たく流れる

ロバート・ブロック著 / 小笠原 豊樹訳
早川書房 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。


ロバート・ブロック、どこかで聞いたような…と思ったら、サイコ・サスペンス映画の古典的名作、その名も「サイコ」の原作者だったのでした。
といっても、サイコパスもの専門というわけではなく、SF系あり、奇想系あり、「ポオ蒐集家」のようなパロディ作品あり、なかなか守備範囲の広い作家です。
こちらのページに、邦訳全タイトルをまとめてくださっています。もはや入手困難なものが多いと思われますが。
 翻訳作品集成 ロバート・ブロックの項


こわれた夜明け」「野牛のさすらう国にて」は、核の影の濃い話。1950年代の世相を反映しているのでしょう。シニカルで悲観的。

芝居を続けろ」「名画」「最後の演技」「ほくそ笑む場所」「フェル先生、あなたは嫌いです」「強い刺激」は、サイコパス関係です。
芝居を続けろ」は、オチが勉強になりました。そうだったんだ…。
最後の演技」うわわわわ。こりゃひどい!
フェル先生…」は、マザーグースのひとつ。なんか好かん相手と思ったら!
強い刺激」はサイコパスらしいサイコパス。なめたらあかん。

ショウ・ビジネス」「わたしの好みはブロンド」「本音」は奇想もの。「ブロンド」と「本音」はSF要素も。

うららかな昼下がりの出来事」は、「ポオ蒐集家」と同じようなパロディ。大人の国のアリス。

」は幻想小説。Death note がこんなところにも。
あの豪勢な墓を掘れ!(dig that crazy grave!)」は、ジャズの曲名かな? 音楽の魔力を描いた、これも幻想的なお話。

ベッツィーは生きている」は、淡々とした語り口ながら、意外に深刻な人間悲劇。登場人物が最も「生きている」作品でした。ジミイ・パワーズが憑かれたように仕事に励むわけ、スティーヴの微妙に揺れる感情、ベッツィーの偶像と実像の対峙など、スリリングな心理ドラマです。

 
読んだ本TB:0CM:0

それぞれの事情

2006/03/15(水) 23:04:16

冷えきった週末

ヒラリー・ウォー著 / 房 里絵訳
東京創元社 (2000.9)
通常2-3日以内に発送します。


郊外の森の中で、高価なドレスをまとった上流風の女性の他殺死体が発見された。
彼女は地元の名士を集めたパーティーの帰りに難に遭ったと見られるが、夫のギルモアは別行動をとっており、彼女がいつ誰とパーティーを抜けたかもわからないと言う。
まもなく、パーティーのメインゲストである、国内有数の富豪ホイットモアが、パーティーの晩以来姿をくらましていることがわかり、捜査は大幅に前進したかのように見えた。
ところが、お互いを徹底的に庇いあう上流社会の閉鎖性にはばまれて、その後は、有益な情報がさっぱり出てこない。
行方不明の男と殺人事件は、果たして関係があるのか無いのか。
男は隠れているのか、死んでいるのか、それとも。

錯綜する人間関係と動機、初動捜査の混乱など、数々の壁を乗り越え、無数の可能性を一つ一つ検証してゆくフェローズ署長の丹念な推理が見どころです。

何を書いてもネタバレですね。大量の目くらましにまんまとやられました。
最後の種明かしで言われてみれば、そうだよ、これだよ、これしかないよ。まったく何で気がつかなかったんだろうってところです。

本格推理というか、推理だけ小説というか、ウォー作品にしてはあまりドラマ性は無いので、小説的な面白さは薄いのですが、頭を使うという点では良く出来た話です。

 
読んだ本TB:0CM:0

森の中

2006/03/14(火) 22:28:43

閉ざされた森 コレクターズ・エディション
閉ざされた森 コレクターズ・エディション(cinema)
監督 ジョン・マクティアナン
ジョン・トラボルタ サミュエル・L.ジャクソンコニー・ニールセン ジョバンニ・リビジ
ブライアン・バン・ホルト
2003年 アメリカ
posted with amazlet on 06.03.14
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2006/02/22)

南米のジャングルで訓練中のレンジャー部隊が遭難。捜索隊に発見された時、彼らは互いに銃で撃ち合っており、結局2名だけが救出され、うち一人は重傷を負っていた。絶対の結束を旨とする彼らに、一体何が起きたのか。基地では二人の尋問にかかるが、どちらも口を開かない。この不祥事を、本部が乗り出す前に基地内で処理したい上部は、焦って、外部から"尋問のプロ"と言われる麻薬捜査官のトム・ハーディを招聘した。


謎解きものです。
登場人物の台詞ではありませんが、ラストから振り返ってみれば、「つじつまは合っている」。
しかし、そもそも何のためにこの一件が起きたのか、発端となった動機が弱い。したがって、どうしてこれほどの大事件だったか、結局よくわからないのです。人間関係もイマイチ。なかなか凝った脚本だとは思いますが、ネタに走りすぎましたね。興奮した割には、見た後で残るものが少ない映画でした。

ミステリとしては、ちょっとやそっとでは真相がわからないし、まあ、それなりによく出来ていたと思います。
軍隊が舞台のミステリ、トラボルタが探偵役、相棒が女性、ということで、雰囲気としては「将軍の娘」に似ているのかな。映画のほうは見ていませんが、ネルソン・デミルの原作を読んだ限りでは、単なる謎解きだけでなく、鋭い問題提起もあり、多分ドラマとしては数倍よく出来ているのではないかと思います。

とは言え、トラボルタは、はまり役。加えてブライアン・ヴァン・ホルトが確かにキュートで、私の趣味(笑)。というわけで、見ている分には、そこそこ楽しかった。

「将軍の娘」原作本はこちら。
将軍の娘 上

ネルソン・デミル著 / 上田 公子訳
キワモノっぽい書き出しに似合わず、硬質のミステリです。

 
見た映画(DVD)TB:0CM:2

季節外れのクリスマス

2006/03/13(月) 17:32:40

夜明けのフロスト

R.D.ウィングフィールド〔ほか〕著 / 木村 仁良編 / 芹沢 恵〔ほか〕訳
光文社 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。


光文社刊の雑誌「ジャーロ」に掲載された短編ミステリのうち、クリスマスもののアンソロジー。表題作は中編ですが、フロスト警部シリーズとしては異例の短さ。それでも中身はコッテリ。
あったかいクリスマス、寒~いクリスマス、それぞれのholy night。
季節外れのクリスマス気分が味わえます…って、今頃、いったい何のために?!

クリスマスツリー殺人事件(エドワード・D・ホック)
定年退職した元刑事のレオポルドが、暇に飽かせて迷宮入り事件に取り組みます。35年前のクリスマスシーズン、ツリーを積んだ赤いピックアップ・トラックばかりが狙われた連続殺人事件。犯人の狙いはなんだったのか?

Dr.カウチ、大統領を救う(ナンシー・ピカード)
おじいちゃんの自慢話。

あの子は誰なの?(ダグ・アリン)
クリスマス間近のある日、やもめのキャッシュの前に、包帯ぐるぐる巻きの若い海兵隊員が現れ、実の父親(バイオロジカル・ファーザーっていうんだよね、大げさな言い方!)を探しているという。彼の母親(故人)は、結婚した時すでに身ごもっており、相手はキャッシュの学生時代の仲間の誰からしいのだが…。
キャッシュは警察勤めの利点を生かして、父親探しに一肌脱ごうとするのですが、そのことが仲間内に思わぬ波紋を呼び、彼の善意とはうらはらに事件が起きてしまいます。
結末はあったかな、クリスマスのちょっといい話。

お宝の猿(レジナルド・ヒル)
美術館から黄金の猿像(という設定が馬鹿馬鹿しくて好き)が盗み出され、全英捜査機関(NCS)が動き出した。NCSに異常に対抗意識を燃やす地元警察のダルジールは、いきなり奮い立って、大車輪で捜査を展開、ブツが「柊の森」荘にあることを突き止め、役に立つのかどうか微妙な部下を率いて、寒い寒い張り込みを。
オチは猿以上に笑えるユーモアミステリ。

わかちあう季節(マーシャ・マラー&ビル・プロンジーニ)
職場のクリスマスパーティー(こちらでの忘年会みたいなもんですね)を狙った産業スパイ事件。最後は乾杯。

殺しのくちづけ(ピーター・ラヴゼイ)
クリスマスならではの犯罪。

夜明けのフロスト(R・D・ウィングフィールド)
酔っ払い、誘拐、強盗、捨て子、行方不明の少女、そして殺人事件。てんこもりの事件に下品なジョークをミックス&クリスマスをトッピング。
パーティー明けでヨレヨレのフロストが、快刀乱麻、というより事件まみれになりつつ、最後は例によって、どうにかおさまるところにおさめます。

 


読んだ本TB:0CM:0

格差と貧困

2006/03/13(月) 16:31:23

後期日程。

Jump on board,Take a ride,yeah!

今はそれでいいサ。今のうちは。


ハードワーク

ポリー・トインビー著 / 椋田 直子訳
東洋経済新報社 (2005.7)
通常2-3日以内に発送します。


英国のジャーナリストとして社会的に成功し、経済的にも恵まれた環境にある著者が、教会の提案する「最低賃金体験プラン」に触発され、病院の下働き、学校給食の配膳係、老人ホームの介護役など、英国社会で最も待遇の悪いパートタイム労働に就いてみてのレポート。
実験に当たって著者は、関係者の協力のもとに、付近でもっとも劣悪な公営住宅に居を移し、初老・資産なし・職歴(ほぼ)無し・女性・独身という最低の条件下で求職するという徹底振り。
失業手当からスタートし、可能なかぎりの福祉・支援を利用するとはいえ、それでも最低賃金(時給800円程度の)の生活は果たして成り立つのか。

先日NHKの朝の番組で、貧困の問題を取り上げていました。(朝っぱらから、えらく重たい話題です。)
非正規雇用の問題とからめて、まじめに働いているのに、将来の見通しが無いばかりか、健康で文化的とは言いがたい生活を余儀なくされている人々の実態を報じたものでした。

著者が訴えているのは、あくまでもイギリス社会の矛盾点であり、社会や雇用の仕組み、経済構造の異なるわが国に、そのまま当てはめることは出来ませんが、サッチャー政権の行った「小さな政府」による国家財政の健全化は、少なからず現在のわが国の政策のモデルケースとなっているようですし、首相の格差容認発言などを見ると、本書で取り上げている問題点は、遠からず(あるいは既に?)日本でも発生して不思議ではありません。
特に、公共事業の民営化に伴って起こる労働条件の悪化については、早めに手を打っておく必要があるのではないかと思われます。

国のお台所はピカピカ、でも床下はボロボロじゃしょうがないですね。
フリーターの若者やパートのおばちゃんが、経済的に健全な世帯の世帯員による「ちょっとしたお小遣い稼ぎ」ならいいのですが、将来彼ら(特に非正規雇用の若い人)が独立世帯となったとき、生活保障はどうなるのだろう。
全体の景気が回復すれば、この物質的に豊かな日本社会の中で、どれほど困窮したところでまさか餓死することはあるまい(たとえホームレスになったとしても)とは思うものの、同じ社会の構成員間でレベル差が広がっていくことは、やはり望ましくない。少なくとも「稼ぐに追いつく貧乏なし」という状況だけは、ぎりぎり維持するべきでは。

格差の広がりつつある社会の中で、「勝ち組」「負け組」などと、自分の立ち位置を確認しているだけではイカンのではないかと思ったことでした。

これだけ思い切った実験に出ながら、途中で、思うように余暇が楽しめないことを嘆いたり、福祉団体から貸与されたお金で無駄な買い物をしてしまったり、著者の覚悟の悪さに苦笑。生まれながらの富裕層ならともかく、中流の人間なら、使える金額が少ないとなれば、もう少しやりくりを考えそうなものです。
でも待てよ、そのくらい著者の所属するアッパーミドル層とそれ以下の層の生活の差が広がっているということなのかもしれません。

 
読んだ本TB:1CM:0

猫あなどり難し

2006/03/12(日) 15:53:33

これはこれは。
覚えるだけでも大変です。
おもてに猫がいたらどうしよう……。

迷信・言い伝えに見る猫

↑猫のことなら何でも。猫好きさんのHPです。

猫狂いの話の代表といえば、これかな。


ライバルは猫。
愛猫リリーちゃんに首ったけのダメ男に、女たちが翻弄される話。
庄造の「猫っかわいがり」ぶりを、これでもかというくらいに詳述します。猫好き必読。

しかし、昔も今もよくわからないんだが、この男のどこがそんなにいいのだろうか。

 
読んだ本TB:0CM:1

レタックスを待ちながら

2006/03/10(金) 18:13:27

という訳で、一日レタックスを待っていたのだった。

よく見たら、発表は午後からじゃないか。
あのなあ2号君、そういうことは、事前に言ってくれませんか。
発表前にお知らせが届くはずがなし、午前中は外出できたのに、無駄に待ってしまった。

来ましたよ、さっき。

きょう日は、以下のごとく、通知が三種類あるのね。

A:合格しました。congratulation!

B:後期日程の一次選抜に合格しました。
(前期不合格の、婉曲表現)

C:不合格。残念でした、また来年。

で、予想通り結果はBだったわけですが、最初に「合格通知」と書いてあるもんだから、思わずヌカ喜びしちゃったじゃないか!!

とりあえず、二度目のチャンスをいただいたことは喜ぶべきなんでしょうが、それにしても、この時期まだ受験が終わってないとは。明々後日に試験、発表は、さらにくだって下旬。あたしゃもう飽きたよ。
予備校の申し込みとか、どおすんだろう…ってか、春期講習が、既に始まってしまうのでは?!

と、もはや落ちる前提で考えている後期日程だが、考えてみると、論文試験というのは、彼一流の三百代言(笑)がどこまで通用するかを試すようなもので、将来の職業における見込みを占う面もあるわけね。
そう思えば、どのような結果になるか、興味深い…いや、やっぱ無理。
何さ20倍って。芸大美術科じゃあるまいし。


いちんちお家に居たので、一冊読めました。

趣味は読書。

斎藤 美奈子著
平凡社 (2003.1)
通常2-3日以内に発送します。


うん。アタシも趣味は読書。

平凡社発行の「月刊百科」の連載をまとめたものとのことで、読書好きが意外に読んでいない“ベストセラー本”を、一冊ずつこき下ろすという趣向です。
標的は次のとおり。

大河の一滴/日本語練習帳/倚りかからず/光に向かって100の花束/働くことがイヤな人のための本/生きかた上手/老いてこそ人生/子どもにウケる科学手品/鉄道員(ぽっぽや)/動物占い/巨泉 人生の選択/朗読者/白い犬とワルツを/銀座ママが教える「できる男」「できない男」の見分け方/妻と私/蜜の味/プラトニック・セックス/「みにくいアヒルの子」だった私/アー・ユー・ハッピー?/楯/買ってはいけない/国民の歴史/永遠の仔/「捨てる!」技術/話を聞かない男、地図が読めない女/冷静と情熱の間/サティスファクション/LOVE論/iモード事件/金持ち父さん貧乏父さん/新しい歴史教科書/ザ・ゴール/模倣犯/空想科学読本/海辺のカフカ/五体不満足/だから、あなたも生き抜いて/チーズはどこへ消えた?・バターはどこへ溶けた?/ハリー・ポッターとアズカバンの囚人/声に出して読みたい日本語/世界がもし100人の村だったら/

ふう。
よくぞ読んだなと思うようなタイトルもたくさんありますね。やっぱり、仕事で本を読むのは大変です。「趣味」にとどめておいて、興味のあるものだけ読むほうがよさそう。私は、過食型であろうが、依存症と言われようが(p18)、個人のブログで好き勝手なことを言ってるほうが、断然いいや。

で、こういう本を一気読みする方も悪いのですが、これだけ批判的な書評ばかりズラリと並べられると、さすがに疲れる。月に一話ずつ、雑誌のコラムの一つとして読めば、きっと、ほどよくスパイスがきいて楽しいのでしょう。
何でもかんでも褒めてある書評もキモチ悪いけど、悪口ばかりもちょっとね。

 


読んだ本TB:0CM:0

聖アンモナイト女学院

2006/03/09(木) 18:05:44

失踪当時の服装は

ヒラリー・ウォー 山本恭子訳
東京創元社 (1960/11)

bk1に写真がなかったので、amazonから拝借。
もうじき新版が出ると思われます。

静かな郊外に建つ女学校の寮から、美人で色っぽい女子学生が何の前触れも無くいなくなります。
通報を受けた警察が捜査に乗り出しますが、思いのほか手がかりは少なく、彼女の交友関係をあたっても、すべて空振り。
たぶん無断外泊でちょっとはめをはずしているだけ。そのうちケロッとして帰ってくるだろうとの大方の予想を裏切って、一週間たっても何の音沙汰もありません。
家出? 誘拐? もしくは最悪の事態が?

今ならありそうな事件なので、謎解きはたいして難しくないけど、当時の学校の雰囲気からすると意外なのかな。
ミステリとしての出来は、「事件当夜は雨」のほうがずっと上等ですが、ウォー作品らしく、舞台となる学校の雰囲気や登場人物の造形で読ませます。中でも、一見官僚的だが実は人情家のフォード署長が秀逸。

レトロな女子寮が舞台のミステリ、というと、今やギャルゲーのストーリーみたいだけど、それは作者のせいじゃないですもんね。


この話をもう一ひねりすると、T.H.クックになります。
緋色の記憶

トマス・H・クック著 / 鴻巣 友季子訳
文芸春秋 1998年


 

読んだ本TB:0CM:0

ピンチヒッター

2006/03/09(木) 17:27:40

トゥルー・クライム 特別版
トゥルー・クライム 特別版(cinema)
監督 クリント・イーストウッド
クリント・イーストウッド イザイア・ワシントン
ジェームズ・ウッズ デニス・リアリー ダイアン・ヴェノーラ
1999年 アメリカ
posted with amazlet on 06.03.09
ワーナー・ホーム・ビデオ (2000/05/12)


同僚の女性記者が突然事故死。アル中で女癖最悪のダメ記者エヴァレットは、彼女の代理を仰せつかり、本日死刑執行予定の殺人犯にインタビューすることになった。
仕方なしに事件資料を当たり始めたエヴァレットは、目撃証言に食い違いがあることに気付いてしまう。容疑者自身は一貫して無罪を訴えているが、判決に際して彼の主張がまともに取り上げられた形跡はなかった。
何か臭い。プロ意識がむくむくと首をもたげ、エヴァレットはやおら証言・証拠の洗い直しにかかった。しかし、執行時間は刻々と迫り、上司は余計なことに手を出すなと怒り狂う。
リミットは数時間後。死刑囚の命と自分の首、二つの運命を賭けたエヴァレットの孤独な戦いが始まった。

これまた、「サウンド・オブ・サイレンス」とご同様に、アンドリュー・クラヴァン原作。本のほうのタイトルは「真夜中の死線」です。未読なので何とも言えませんが、クラヴァンなら原作も面白いかもしれません。

スピード感、ユーモア、泣かせるシーンなど、バランス良く配置されていて、嫌味のない佳作です。
囚人役が好青年すぎて、もとワルにはとても見えなかったり、主人公エヴァレットがどうみてもおじいさん(エロじじい)なのがちょっとアレですが、もともと痛い役なんで、イーストウッドのボケっぷりもそれなりに味わいがあると言えなくもないし、まあその辺は想像力でカバーして。
ルーシー・リューがチョイ役で出演していて、びっくり。

 


見た映画(DVD)TB:1CM:2

顔なし探偵

2006/03/08(水) 16:06:04

とむらい機関車

大阪 圭吉著
東京創元社 (2001.10)
通常2-3日以内に発送します。


本当にネタだけ。
シリーズものの探偵を、ここまで没個性に書けるって、ある意味凄い。一応人物設定はあるけど、映画屋だろうが八百屋だろうが、別に事件や推理の内容と関係があるわけじゃないし、どっちだっていい感じです。
他の登場人物にも、全く肉付けなし。表題作の主人公には少しあるかな…。それでも、明確なイメージはわかない。作者の思い入れが、限りなくゼロに近いのだと思います。

従って、犯罪動機など心理的な要素を組み入れた複雑さはありませんが、それでも、本格派をうたうだけあって、推理そのものの組み立てはしっかりしています。頭の体操にどうぞ、って、何かパズル本みたいだな。
私はネタそのものに雰囲気のある、ヨットの話(「白鮫号の殺人事件」)が好きです。

文庫版には、掲載当時のレトロな挿絵もついて、ちょっとお得なかんじです。色でも塗りましょうかね。

 
読んだ本TB:0CM:0

きゃ~っ

2006/03/07(火) 22:26:27

トム・クルーズ、ケイティ・ホームズと共に、ラジー賞「最もうんざりさせられる有名人」部門受賞。 



あ、そうだ、そろそろ犬を注射に連れていかなくちゃ(爆)。
なみま雑記TB:0CM:0

ヘルス・エンジェルス

2006/03/07(火) 22:17:29

コンスタンティン 特別版 (初回限定版)

コンスタンティン 特別版 (初回限定版)
監督 フランシス・ローレンス
キアヌ・リーヴス レイチェル・ワイズ
シア・ラブーフ ジャイモン・フンスー
2005年 アメリカ
posted with amazlet on 06.03.07
ワーナー・ホーム・ビデオ (2005/09/02)


生まれつき、あの世のものが「見える」能力者コンスタンティンは、かつては自分の力に怯えて自殺をはかったこともあったが、今は凄腕のエクソシストとして活躍する毎日だ。地獄を恐れる彼は、自殺の罪からまぬがれるべく、せっせと悪魔祓いに励んで、人助けの善行を積んでいるのである。
そんな彼のもとに、ある日サタンの邪悪な息子が復活しようとしているとの情報が届く。地獄の王である父の監視をかいくぐり、この世に現れて、全世界を支配しようともくろんでいるらしい。
やがて、邪魔なコンスタンティンと仲間たちを排除すべく、悪魔たちの攻撃が始まった。


ダ・ヴィンチ・コード」ほど難しく考えなくたって、かくのごとく、キリスト教的記号は、欧米世界にごろごろしています。

1号は、何がどうなったのか、最後までわからなかったと首をかしげてました。
そんなに複雑なストーリーではないのですが、多少はキリスト教の基本がわかっていたほうがいいかもしれないですね。といっても、「自殺は絶対ダメ」と「この世はすべて神の配剤」くらい知っていれば、困らないと思うのですが。

まあ、クリスチャンにとっては不快な映画でしょう。どこがって、ガブリエルとかガブリエルとかガブリエルとか。いやあ、すごく妖しくって、私は完全にツボなんですけどね。
皮肉ったらしい態度とか、うすぎたない翼とか、天使のくせに貧相で、とことん嫌な感じなのが笑えます。ガルシア=マルケスの天使とは、また違った意味の面白さです。天使が狂信者というのも、珍しい解釈でしたね。
2号3号は、陽気なサタンが良かったそうです。キアヌも素敵。どういうわけか、完璧な二枚目よりこういうちょっと変な役が似合う人ですね。ある意味色気がないせいかしらん。

これまた原作はコミックだそうです。ネタはまだまだあるようですが、はたして将来続編をつくるだろうか。堕天使となったガブリエルのその後が、是非知りたいです。

DVDのオマケ、「監督とスタッフによる解説」は、かいつまんだ話かと思ったら、"副音声にスタッフの漫談がえんえんと入った本編"というものすごくしつこいシロモノだった。
おもしろくないこともなかったけど、半分くらい見たところで挫折しました。

 
見た映画(DVD)TB:0CM:0

夢の世界の大冒険

2006/03/07(火) 15:26:37

眠れる人の島

エドモンド・ハミルトン著 / 〔中村 融ほか訳〕 / 中村 融編
東京創元社 (2005.12)
通常2-3日以内に発送します。


ハミルトン、どこかで聞いた名前…と思ったら、キャプテン・フューチャーシリーズの著者だったんですね。
スペース・オペラの専門家にしては、少し毛色の変わったものを集めた作品集。といっても、どれも純粋な怪奇幻想小説ではなく、どこかに冒険活劇の匂いがします。


蛇の女神
人魚、ローレライ、沈める鐘などなど、日本なら浦島太郎も入れたいところですが、誰でも知っている伝説が、きれいに配置された一篇。海中世界の描写が美しく、哀切な雰囲気の漂う怪談です。
英雄マルドゥクが鐘を残したその理由は…。

眠れる人の島
同じようなアイデアなら、たとえばビアスやゴールディングの短編のほうがよほど衝撃的なのですが、これを表題にしたのは、タイトルが秀逸であることと、夢の世界に遊ぶファンタジーの、基本みたいなものだからかな。

神々の黄昏
北欧神話が題材。過去を失った「わたし」の真実の姿とは。オチも素敵です。

邪眼の家
ゴーゴンの呪いのかかった一家に立ち向かうデール博士と助手。オカルト話です。

生命の湖
これは中編です。
宝探し、秘境探検、美女、悪役、友情、謎、アクションと、その手の典型的な要素がてんこもり。このまんま、RPGのストーリーもしくはディズニー映画の原作でいけます。
お品の悪いシーンもないので、小学校中~高学年の男の子にちょうどよさそう。でも高校生になると少々つらいようで、3号は「微妙~」との感想でした。
まあ、今となってはさすがに陳腐な感じ。もうちょっと複雑さが欲しいところですね。

 



読んだ本TB:0CM:0

一寸先は闇

2006/03/06(月) 18:11:09

コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション

コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション
監督 マイケル・マン
トム・クルーズ ジェイミー・フォックス ジェイダ・ピンケット=スミス
posted with amazlet on 06.03.06
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン (2005/12/22)


しがないタクシードライバーのマックスは、知的な美女を乗せ、首尾よく電話番号まで聞きだして上機嫌。次の客も、羽振りの良さそうなビジネスマン風の男。今日は最高についてるぜ! ところが、ヴィンセントと名乗るその男は、実はやくざに雇われたヒットマンだった。
夢と口先はでかいくせに小心者のマックスは、抵抗できないまま、無理やりヴィンセントの片棒を担がされ、殺人ハイヤーの運転手を務めることになってしまった!


えーと、あんまり言いたくありませんが、やはり、演技がもう一つということでしょうか。
多分、「本当の“コラテラル”とは誰だったのか」ということを言いたいんだと思いますが、うまく伝わっていません。メイクの苦心にもかかわらず、トム・クルーズはばりばりにかっこよくて、孤独な殺し屋のすさんだ雰囲気が薄い。
冒頭の女性検事とのエピソードも念が入りすぎて、ネタばれなのが痛い。
印象的なシーンは多いのですが、なんとなく取ってつけたような、浅い作品になってしまいました。
トムはかっこいい。でも、これ、かっこよくちゃだめな話なんだよね。
うーん、デ・ニーロあたりなら、うまくやりそうなんですが。

 
見た映画(DVD)TB:0CM:0

8歳と18歳

2006/03/06(月) 17:26:34

サウンド・オブ・サイレンス〈特別編〉

サウンド・オブ・サイレンス〈特別編〉(cinema)
監督 ゲイリー・フレダー
マイケル・ダグラス ショーン・ビーン ブリタニー・マーフィ
2001年 アメリカ
posted with amazlet on 06.03.06
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2005/04/28)


小児精神科医のネイサンは、感謝祭の夜に、同僚の医師からピンチヒッターを頼まれる。気が進まないながら出かけた先は、医療刑務所の精神科病棟。患者は精神分裂病を疑われる少女エリザベス。無気力、無関心で、何かの弾みで発作的に暴れだす、一見、紛いようのない精神病患者だが、ネイサンは彼女の反応に何かひっかかるものを感じ、詐病を疑う。「彼女は何かを恐れている?」
その夜、ネイサンの幼い娘が誘拐された。犯人の要求は、エリザベスからある数字を聞きだせというものだった。

原作は、アンドリュー・クラヴァンの「秘密の友人」。たいへんよくできたミステリーの佳品ですが、映画のほうは、肝心の「友人」の話をごっそり省いたために、凡庸なストーリーになってしまいました。
原作では、エリザベスは詐病ではなく本当に精神を病んでおり、当初、ただの一言も言葉を発さない。彼女の沈黙の裏に潜んでいる物語を探るために、主人公は四苦八苦します。
タイトルの「サウンド・オブ・サイレンス」は、そこからきているのだろうと思いますが、映画のようにあっさりコミュニケーションが取れてしまっては、何でこのタイトルなんだか、よくわからなくなってしまいますね。

彼女の記憶を引き出す過程が、そのまま病気の治療になっていくところがまた、興味深くもあり、泣かせる場面でもあり、裏の陰謀ももっと込み入っていて、さらに、エリザベスのトラウマもあんな単純なものではなく、三倍くらい悲惨です。
医師、犯人、エリザベスをめぐって展開する人間ドラマにも見所があり…、とまあ、どれをとっても原作がはるかに上なので、映画はB級ですが、原作はおすすめです。ラストも単純なめでたしめでたしではありません。

唯一、映画で面白かったのは、誘拐される女の子が、パパが「中身は十八歳」と言うのが親ばかでないくらいに、おそろしくおませで利発な少女であるのに対して、病院で育ったエリザベスは、現実には十八歳なのに、父の死を目撃した八歳で精神的な成長が止まってしまったようで、ひどく幼い。この、性格も境遇も全く違う二人の対比が、うまく描かれていた点です。
少女たちが大好きなお人形を通じてつながる、最後の交歓も、悲劇的ながら心温まるものでした。

 


見た映画(DVD)TB:0CM:0

うさぎの移転

2006/03/06(月) 15:53:56

ライブドアに放置してたうさぎのモノローグがあまりに不憫なので、こちらへ連れてきました。
なみま雑記TB:0CM:0
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